2007年 インドの労働事情

2007年5月16日 講演録

インド労働者連盟(HMS)
ペリン ソフィア スニル クマール ハルシュ

インド労働者連盟(HMS)/グジュラート州女性委員会書記

 

 インド労働者連盟(HMS)には、580万人を超える労働者が加盟しており、私が所属する西部鉄道従業員組合は10万人を超え、HMSの最大組合の一つである。インドのナショナルセンターの多くは、通常は政党の支部のような内容になっているが、HMSは、唯一政党からはまったく独立した組織である。これは1948年12月の結成時にうたった原則であり、今日に至るまで守られている。
 HMSには、2005年の段階で組合員数は575万人(うち女性25%)、2,568組合が加盟している。組織は広範な産業をカバーし、18の産業別組織によって構成している。それらの産業別組織はナショナルセンターとともに、密接な関係をもって活動を進めている。
 女性は全労働力の3分の1を占めている。圧倒的多数の女性が農村部で働き、農業に従事している。都市部では、多くの女性がインフォーマルセクターに従事し、家庭内工業、非常に小規模な商業やサービス業、あるいは建設部門などに従事している。女性の雇用は大規模分野では非常に少ない実態で、雇用者の18%の比率になっている。例外としては、農園では女性の組合員が70%を占めている。労働省のデータによると、全体の組合員のうち女性の割合は、7%から12%ということになっている。
 インドの法律には、労働法の範疇に入るものが数多く存在している。州がそれぞれの法律を起草し、それが中央政府のものと異なるといったこともよく起こっている。労働組合法は1926年に、労使紛争法は1947年に制定されて、この2つの法律によって一般的な労使関係が規制されている。しかし、他にも多くの法律があって、労働者の労働条件の保護、そして規制などが定められている。これらの中には、工場法、最低賃金法、契約労働者法、移民・季節労働者法、賃金支払法、また、葉巻タバコの生産に従事する労働者福祉基金法などがある。包括的な形での雇用者、従業員に関する法律はまだ存在していないので、これが制定・導入されることによって、インドの社会・経済における全ての労働者への適用が可能になるはずである。

インド全国労働組合会議(INTUC)
ラメシュ クマール トリパーティ

インド石炭産業連盟/副書記長

 

 インド経済は年率9%の成長を遂げているが、雇用問題は依然として深刻である。この国の雇用労働者の92%にあたる約3億7千万人が、いわゆるインフォーマルセクターで働いている。そのほとんどは農業部門に従事し、彼らには年金、プロビデントファンド、ボーナス、医療施設といったものが提供されていない。われわれ労働組合は、彼らに社会保障が提供されるよう法制化のために闘ってきたが、ようやく、政府は近い将来そのための法案を提出するという意思を示している。また、貧困のため、数多くの児童労働が強いられており、労働組合、NGOなどが児童労働の撲滅のために取り組んでおり、政府もその改善に向けて動く気配を見せているところである。最低賃金もなかなか守られていないのが現実であって、労働条件のベースとしての大きな課題である。
 インド政府といくつもの州政府が、特別経済区の設置に対しさまざまな制度を作っている。しかし、農民や一般住民は、特別経済区の設置による農地の強制的な占有などに激しく反対している。INTUCは、特別経済区の設置によって、実際に肥沃な土地でこれまで従事してきた農業従事者達が、仕事を失うことにならないように、進められるべきだと主張している。
 インドには10の労組ナショナルセンターがあり、INTUCはそのうち2番目に大きな組織で、加盟者数は1千万人を超えている。グローバリゼーションの影響で競争が激化し、産業、雇用が病んできている。現在の労働組合にとって最大の挑戦すべき課題は、インフォーマル部門で働いている労働者の組織化である。これらの労働者達は識字が出来ず、低賃金で働いている。また、森林業に携わる労働者たちは、町から離れた非常に不便な環境に点在した形で労働している。これらの労働者を組織化するのは、とてつもなく困難な任務である。