2008年 バングラデシュの労働事情

2008年5月21日 講演録

バングラデシュ
モハメッドタァーウィッドホサインカーン

カウサール・ジャスミン・チョードリー

 

 バングラデシュの労働組合は、多くのナショナルセンターに分かれているが、主要なナショナルセンターは、すべてSramik Karmachari Oikko Parishad(SKOP)のメンバーである。SKOPは、労働者の要求について政府と協議している。
 6つの主要なナショナルセンターは協議会を結成し、将来1つのナショナルセンターの設立を目指している。しかし、現在国家非常事態のため、2007年1月すべての労働組合活動を行うことが禁止されている。
この状態の中で、企業別組合、職業別組合および各ナショナルセンターは、経営者に対して諸問題の改善要求を提出することが困難となっている。この国会非常事態により、組合員たちは労働者としての法的権利を守ることへの会合や行動を行うことができない。
 バングラデシュは、ILO第87号条約を批准しているが、ほとんどの労働者は(特に衣料部門において)組織権を享有していない。最近政府は、ILO87号および第98号条約に違反する労働者・労働組合に関する規則を策定した。衣料労働者連盟とSKOPは、この新しい労働法規に関して、政府に抗議文を提出した。その背景には、わが国の経営者協会が強い力を持っており、政府に影響を与えていることが大きいことがあげられる。
 政府案では、労働組合の結成は1企業1組合のみで、複数は認めないとなっている。団体交渉権についても、51%以上が賛成であれば、団体交渉に臨むことができるというものである。以前は、このような規則はなく、政府はILO条約に違反する立法措置を講じようとしていた。
 また、他の多くの国と同様に、政府は国有企業を民営化や縮小する政策を採り、その結果、多くの企業が閉鎖され、何千人もの労働者が職を奪われ、また、多くの正規労働者が、契約労働や臨時雇いになった。
 公共部門、民間部門の双方において、労働者の権利が保障されているとはまだ言えない。労働者は、働く権利を認識しておらず、政策立案者さえも、それほど関心を抱いていない。憲法は、組織化する権利を保障しているが、いくつかの職業や区域において、労働組合結成や加入に対して制限が設けられている。(政府職員、輸出加工区(EPZ)などすべての種類の治安関係職員、教育・研究機関の従業員、病院・クリニック、NGO等)
 ナショナルセンターは、これまで述べたように国内では、記者会見など、様々な訴えを関係各省庁宛に提出して、この違法な行動に対して阻止する活動を行っている。