2003年 バングラデシュの労働事情

2003年6月4日 講演録

バングラデシュ・ムクト・スラミーク連盟(BMSF)
シャハリアー ラハマン ブイヤン

バングラデシュ・ムクト・スラミーク連盟/書記

 

国内の状況

 バングラデシュの政治情勢はほぼ平穏です。イラク戦争を支持するために大規模な集会が組織されました。また、複数の政党によってゼネストが呼びかけられましたが、国民は応じませんでした。左派の政党が同盟を結成しましたが、その同盟の支援は決して満足するようなものではありません。
 経済面は、外国で働いているバングラデシュの労働者からの送金が増大したことによって、外貨準備高が大幅に増大しました。政府の歳入も増加しました。幾つかの必需品である石油やオクタンなども増大しました。
 社会面は、一種の社会犯罪であるテロが恐ろしいほど増大しています。しかし政府は国境警備隊、さらに軍隊と協力して、これを速やかに浄化する作戦を開始しています。これにより多くのテロリストが逮捕されましたし、また武器が大量に押収されました。

BMSFの活動方針

 バングラデシュの労働組合組織率はわずかに3~4%です。従って未組織労働者の組織化がBMSFの最優先課題になっています。
 2002年12月までの4年間に労働組合加盟人員数は、8万6,000から20万2,007人へと大幅に増大しました。さらに労働組合の財政状況の改善も、重要な方針です。
 女性と若年労働者をさらに組織化するが重要な課題です。約1,000万人の女性並びに若年労働者が雇用されていますが、この数字を考えると、これらの労働者をBMSFに加盟させる潜在性は非常に大きいと考えています。衣服産業だけをみても、およそ130万人の女性が雇用されています。BMSFの運動強化のためには、女性並びに若年労働者を組織化することです。
 次に、労働組合の統一について申し上げますと、バングラデシュの組織率は3~4%なのですが、こうした労働者がおよそ27のナショナルセンターに分かれています。そのためバングラデシュの労働組合運動は極めて脆弱な状況にあります。

具体的な運動方針

 BMSFは書記長を中心とした委員会を設置して、未組織労働者の組織化を図るために対象の産業の絞り込みを行っています。BMSFの今のスローガンは、第1に組織化、第2に組織化、第3に組織化です。会合が開かれるたびに、未組織労働者の組織化を重要視するよう呼びかけています。BMSFの執行委員はさまざまな加盟組合、組織を訪問して、加盟費を支払うよう働きかけています。この取り組みは既に始められていて、よい結果を生んでいます。
 BMSFには非常に強力な女性委員会が設置されています。女性の指導者に対し、女性労働者をさらに組織化し、そして、意思決定機関への女性の参加を促進するよう働きかけを行っています。
 BMSFは、統一の過程の中にいます。さまざまな組織、SKOP、NCCWE、ICFTU-BC、そしてBCTUなどと協力して、分裂している我が国の労働組合の統一という目的を達成しようとしています。

バングラデシュ労働連盟(BLF)
シャキール アクタル チョードリー

ソナリ銀行労働組合/事務局長

 

国内の状況

 先ず最初にバングラデシュの概要について申し上げます。バングラデシュの人口は1億3,120万人です。面積は14万7,570平方キロメートルです。識字率は65%。GDP成長率は4.8%です。労働力人口は6,003万人で、そのうち農業人口は62.3%です。失業率は18.05%です。単組の数は4,762組合です。組織化された労働人口は190万5,451人です。組織率は3.5%です。ナショナルセンターの数は26です。経営者団体の数は4団体。政治制度としては多党制です。政治形態は議会制です。
 BLFの組織構造を話します。全国評議会が最高決定機関です。執行委員会、地区、市、女性、青年委員会があります。基本的な単組、それから工場レベルの組合があります。
 それぞれの機関の役割としては、全国評議会は政策決定、そして役員を選出する機関です。執行委員会の役割は政策の実施と実務、組織運営です。各委員会の役割は広いレベルでの政策の実施です。単組、そして工場の組合の役割は、方針の実施を工場レベルで行うこと、それから全国評議会を工場レベルで代表するということです。
 次に政治、経済状況です。政治制度は自由で民主的です。憲法と法律によって基本的な労働組合権は保障されています。労働組合は細分化されていて、それぞれ政党によって影響を受けています。これはバングラデシュ特有の奇妙な状況で、それが労働運動を悪くしています。
 自由市場経済制度をとっています。そして徐々に公営企業の民営化が行なわれています。バングラデシュは農業国です。農業経済で、主な製造業はジュート、繊維、皮革、化学のケミカル、そして肥料等です。女性用既製服の衣服産業は今、発展しつつある産業です。サービス業及びインフォーマルセクターは急速に拡大しています。これから成長が見込める経済分野は石油、ガス及び港湾事業です。
 識字率は低く、多くの労働者が貧困ライン以下の生活をしています。労働組合のイメージはよくありません。労働者たちは都市部や海外へ移住しています。社会保障制度、医療制度、よい労働環境等が欠如しています。そして、全国的な最低賃金制度はありません。

BLFの活動方針

 労働者を教育し、意識向上を図る。インフォーマルセクター、女性及び青年を組織化する。平等を図り、女性に権限を与える。最悪の形態の児童労働を根絶する。安全な職場をつくる。社会的な安全ネットの仕組みをつくる。すべての人に労働者の権利及び労働組合権を確保する。
 運動計画は、組合教育。出版及びネットワークの構築。組織化を、既にある組合の中で進める。委員会の設置。インフォーマルセクターは非常に大きな部門ですが、それを組織化する。女性を労働組合の教育及び意思決定機関にもっと参加させる。女性委員会を設置する。女性の権利及び平等に関して、すべての組合レベルで意識向上を図る。児童労働学校及び職業訓練教育。家庭、労働組合及び社会全体において、児童労働問題に関して意識を高める。全国的な職業安全衛生政策を策定し、また職業安全衛生に関する安全協議会を設立するようロビー活動を通じて働きかける。労働者の生協を設立する。全国的な社会保障計画を設立するために働きかける。このような計画が既に実施され、継続されているものもありますし、また、中には計画中で、これから実施を目指しているものもあります。