2000年 バングラデシュの労働事情

2000年9月18日 講演録

ヌルル・イスラム・カン
ダッカ市BJSD 委員会/事務局長

 

国内情勢

 バングラデシュの政治状況は、今、危機的段階にあります。前回の総選挙は1996 年6 月に実施され、国会で過半数を制した政党が1996 年6 月23 日に政府を樹立しました。次回の総選挙は今年遅くには実施されねばならないことになっています。主要野党の連合は、政府が直ちに総辞職するよう要求しています。彼らによりますと、政府は能力を証明することに失敗しました。彼らは早期の選挙実施を要求して運動しています。ここ数カ月あるいは二、三カ月の間に総選挙になる可能性があります。
 わが国の経済状況は全く満足のいくものではありません。大小の工場が閉鎖され、政府の公益事業は縮小され、その結果、大量失業が起きています。民営化という改革の名のもとに、政府は事実上、国の産業の空洞化を行っていると言わねばなりません。土地を持たない人々が増加しています。生活必需品の価格が上がって、貧しい人々の手の届かないものになっています。非生産的な部門の支出の限りない上昇に対応するため、政府は銀行から借り入れを余儀なくされています。インフレ率は8 %です。国内の治安状況は日を追うごとに悪くなり、与野党間の厳しい関係によって社会不安が起きています。

労働運動の状況

 国内の労働組合運動はさまざまな問題、中でも今述べてきましたような、即時に対応することを要するような緊急課題に取り囲まれています。BJSD は産業空洞化に反対するため、労働者と国民の声を代表してきました。賃上げ、全国的最低賃金、民主的労働法、そして政府による公正な取り扱いを実現するための共同行動に積極的に参加しています。BJSD は新規の緊急課題に対応するために、各層の指導者の能力開発に全力を上げています。また、活動方針を実現するためのさまざまな活動や運動を組織し、その中には小集団の会合、公開の会合、デモ、宣伝・広報活動などが含まれています。
 しかし、残念ながら我々の努力はあまり成功していません。政府は我々の要求の正当性を認め、協定に調印するのですが、経営者や世界銀行やIMF からの圧力で、協定を実際に実行できません。バングラデシュでは労働者のほとんどは労働組合への参加を認められておらず、公務員、輸出加工区の労働者、農業従事者、生協、教育及び研究所関係の従業員、NGO 、地方電力会社等々の労働者は、組合の結成を認められていません。我々は彼らにも団結権を認めるよう政府に圧力をかけています。我々はJILAF に感謝しています。JILAF は職業安全衛生や生産性のような非常に重要な問題に取り組む我々の仲間の能力を向上させるために、私たちが行っている努力をずっと今まで支援してきてくださいました。これら2 つの分野におけるJILAFの貢献は著しいものがあり、我々はJILAFとバングラデシュの組合の間の協力関係が今後も継続し、協力分野がさらに増えることを願っております。

基礎データ

 最後に、バングラデシュに関する簡単な統計数値を紹介します。まず全労働人口5,600万人。そのうち男性3,470 万人。女性2,103 万人。失業率34 %、GDP 成長率5.7 %、貧困層は都市部で44.30 %、農村部で47.60 %、国民一人当たりGNP283 ドル、土地を持たない人口、これは1995 年においてですが、都市居住世帯の90.7 %、農村居住世帯の79.8 %、1999 年から2000 年にかけての年度でインフレ率8 %、一人当たりの対外債務、これも2000年ですが、6,000 パカ、それから栄養失調児童の割合60 %、アジア13 カ国のうち、汚職率が最高を記録しています。これは世界経済フォーラムの発表によります。それから非定住人口130 万人です。ありがとうございました。

マハブブル・アラム
ダッカ電力供給局労働組合組織局/担当
兼 JSP 青年委員会/事務局長

 

国内の状況

 JSP には2 つの非常に重要な委員会があり、1 つが青年委員会、もう一つが女性委員会です。私は青年委員会のほうの事務局長です。
 バングラデシュは複数政党制の民主主義国家で、国民は5 年ごとに議院内閣制の政府を選出します。現在の政治状況は不安定と混乱状況です。農業を基盤とする我が国の経済は、グローバル化と規制緩和、あるいは自由化に向かって進んでいます。労働組合権は輸出加工区等多国籍企業の投資地域の一部及び医療産業で制限を受けています。労働者階級の多くの人々が未組織で、多くの場所で女性の権利が無視されています。労働組合は細かく分裂し、労働者は国家政策立案機関あるいは機構に全く参加していません。人員整理、退職強要、レイオフが目下、火急の問題です。民営化と投資の引き揚げによって多くの人々が失業し、児童労働もまた社会問題です。国民一人当たりの所得は280US ドルです。

BJSD の方針

 我が組織の主要な方策は次のとおりです。A .労働組合を強化するために、もっと多くの労働者を組合に組織化する運動。B .経済を円滑にグローバル化するために効果的な二者機関、三者機関等を設立する。C .バングラデシュにおける労働組合統一に向かってお互いに協力する。D .労働者の意識啓発運動を推進する。E .妥当な賃金と職場における良好な労働条件を確保する。
 今言ったような政策実現のための具体的な活動として、A .国中で会合その他の意識向?4上運動を実施して運動を組織する。B .議論、ロビー活動、マスコミの活用及び二者機関、三者機関への積極的な参加。C .共同協議機関に参加する。例えばBILS バングラデシュ労働問題研究所、ICFTU-BC 、BCTU 及びSKOP です。D .組合権、世界人権宣言、男女平等、組織化、職業安全衛生、生産性等々の組合の問題について、さまざまな階層で教育訓練計画を実施する。E .国内的には統一、国際的には連帯を達成する。