2014年 香港の労働事情

2014年10月24日 講演録

香港労働組合連盟(HKCTU)
報告者:ラップ イン グ

香港労働組合(UPOE)書記

 

1.HKCTUの紹介

 香港郵政局員労働組合(UPOE)は1970年1月20日に結成された。当労働組合は、いかなる政治団体あるいは政党とも連携のない単独労働組合であるが、連帯の力が持つ重要性は認識しており、地元および国外の両面でいろいろな組織に加盟してきた。現在地元では、香港労働組合連盟(HKCTU)に加盟している。当労働組合は1973年、国際郵便電信電話労組連盟(PTTI)への加盟を承認、PTTIは1997年8月に国際コミュニケーション労連(CI)と改名された。CIは、国際写真製版労働組合連盟(IGF)、国際メディアエンターテイメント労連(MEI)、国際商業事務技術労連の3国際産業別組織(ITS)と合併し、ユニオン・ネットワーク・ インターナショナル(UNI)を結成した。2014年1月1日、当労働組合はUNIアジア太平洋地域組織に対する不満が原因でUNIを脱退した。もちろん、労働組合としては従業員の権限に思いをはせると同時に、社会の発展、香港の政治的発展にも注意を払っている。

2.会員と社会参加

 当労組は、香港郵政7500人の職員中、約1700人の組合員を擁している。職員のうち5147人が公務員であり、約2200人が契約職員である。組合員はあらゆる等級、地位の郵政職員から構成されている。当労働組合員1700人中、女性組合員は約200人である。当労働組合は、組合員の権利と利益のために闘うだけでなく、香港の社会的、政治的発展に関わる課題にも目を向け、関心を示してきた。そして香港の中国本土への返還の前後一貫して、さまざまな運動と抗議活動に長年従事してきた。

3.HKCTU(香港労働組合連盟)との関係

 UPOEは、現在香港において90の加盟組合を通じ16万人を超える組合員を抱えるHKCTUの、1990年7月結成時からの参加団体である。HKCTUは、いかなる政権、政党からも完全に独立している。

4.今後の課題

 香港は1841年の英国植民地政権による占領から1997年の中国本土への返還までの間、亡命者と移民の社会であった。長年にわたり、労働組合加入への労働者の意識はかなり低かった。加えて、労働者の連帯を分散させるために、あらゆる手段を使って圧力が加えられている。同時に、政府の労働政策に対して盲目的に追従するグループ、あるいは労働者の権利を保護し支持する法案の成立の遅延を画策グループなどが存在する。このような状況のもとで、団体交渉権、標準労働時間等は未だ法制化されていない。
香港立法会議選挙、抗議活動、嘆願活動に関し当労働組合が行なう闘いに対する支持は限定的なものである。しかし当労働組合は労働組合教育の中で、組合員に対する講習会開催を続け、その知識と権利の強化を図っている。
 香港における真の普通選挙を通じてのみ、政府に対する監視が実現する。従って当労働組合は、香港特別行政区民の労働運動や、政治的権利等課題のいかんを問わず、将来への要求に関して考えを同じくする者を支援し闘う。

5.香港における労働状況

 2014年5月―7月の失業と不完全雇用の実績について、香港統計局が発表した最新労働力統計 (2014年5月―7月の暫定実績)によると、季節調整済みの失業率は2014年4月-6月の3.2%から2014年5月-7月の3.3%へと上昇した。不完全雇用率は両期間を通じ1.5%で変わらなかった。
 2014年5月-7月と2014年4月-6月を比較すると、失業率(季節調節前)の増加は主に飲食業、修理業、洗濯業、家政婦その他個人サービス業、小売業に見られた。不完全雇用率については、主に装飾業、修理業、ビルメンテナンス業で減少が見られ、顕著な増加が見られた業種はなかった。
 総雇用者数は、2014年4月-6月の374万4700 人から2014年5月-7月の377万1100 へと約2万6400人増加した。同期間の労働力人口も、387万2300 人から390万4400人へ、約 3万2100人増加した。
 失業者数(季節調整前)は、2014年4月-6月の12万7600人から2014年5月-7月の13万3300 人へと約5700人増加した。2014年5月-7月の不完全雇用者数は5万7900人で、 2014年4月-6月の5万8000人とほぼ同じであった。