2007年 香港の労働事情

2007年5月30日 講演録

香港労働組合連盟(HKCTU)
タム ユエン ヤン リンダ

香港ビル管理・警備労働者組合 執行委員

 

 HKCTUは現在、7項目の目標を掲げ達成するために次の活動を行なっている。[1]最低賃金の立法 時給30香港ドル以上にすること、[2]基準労働時間の立法1週間の労働時間を44時間、時間外手当を基本給の1.5倍とすること。[3]団体交渉権の確立。労使双方の対立がはげしく、組合には行使権利がない。労使対等に交渉できる地位と権利の確保。[4]兼職や契約労働者の労働条件を高め雇用保証を守ること。非正規労働者の雇用増加と政府業務を民間企業で委託することに反対し、兼職を希望する労働者に対する差別的な条例をなくす要求をすること。
 [5]労働安全環境の改善と労災保険制度の改正、企業が制定した労働者の利益を無視した保険制度を廃止し、中央保障基金制度を具体化し導入する。
 [6]賃金不払い事件を撤廃すること、そのために現行法律を厳格化し、賃金不払いに応じた使用者に民事または刑事責任を負わせ,違法行為のある使用者の摘発を強化する必要がある。[7]合理的な賃上げ要求、賃金配分は平等・公平に受けるべきであり、経済成長や企業の収益といった要素を反映し、成果の恩恵は労働者も受けなければならない。
 以上の目標に到達するため、定期的に集会、デモ行進を実施、広く市民にも支持を得るように市民団体との連携を強化している。
 労働者の労働条件を引き上げ、労働者の権利や地位を確保するためには労働組合の組織強化が必要である。発言を高め、信頼を回復するためにも、リーダーを養成、情報収集・広報活動を行い、ナショナルセンターの充実をはかっていきたい。

香港・九龍労働組合評議会(HKTUC)
レウン ヒュー ヤン

写真・写真現像労働組合 財務担当

 

 2006年にITUCに加盟した組合であるHKTUCには、飲食業、金属業、運輸業など、35単組が加盟、年間組合費240香港ドル(30USドル)、組合員1万2,700人、うち男性9,500人、女性3,200人。執行委員17人うち女性6人、2000年から執行委員会は若いリーダーが担当するようになった。
 昨年、HKTUCは、サービス業が最低賃金を設定するよう要求し、現在も最低賃金保証や労働時間上限制度導入など求め続けている。
 香港には約800の労働組合があり組織率は25%。団体交渉権の確立状況が低い状況では、労使交渉力は弱く、賃上げ交渉も困難な実態である。あわせて香港特別行政官は、香港市民の直接選挙ではなく、商工業や金融業で構成されている800人からなる選挙委員会によって選出されるため、政府企業側に有利な政策を打ち出している。
 香港には多国籍企業約4,000社、そのうち日系企業は800社があり、労働組合を認める企業は3%である。労使間での意思疎通がかけることにより、労働紛争の発生の原因となることもある。労働組合団体は多国籍企業に対して、労働者の権利と利益を勝ち取るために団体交渉権を求めている。現在、私達の労働組合は商工会及び各企業と話し合いを持ち、ILO183号条約(妊産婦への12~14週の有給休暇付与等他)実施を要求している。
 香港の労働事情として、労働紛争年間約3万件、契約解除や解雇が半分を占め、賃金不払い27%、有給休暇の賃金、病気手当不払いは7%である。