2005年 香港の労働事情

2005年10月26日 講演録

香港労働組合連盟(HKCTU)
リ メイリン

香港家事労働者総連盟副会長

 

国内の状況

 HKCTUには62の単組労働組合が加盟し、5つの訓練センターがあります。
 香港の情勢は現在、失業率は高く非常に厳しい状況にあります。労働力人口は約350万7,000人、そのうち失業者は約26万人。失業率が高い理由は、経済情勢が厳しく、企業の倒産が多くなっているからです。

家事労働者総連盟の活動

 政府は1992年から再就職訓練という計画を実施、失業した女性のためには、家政婦や介護などの訓練科目を設けました。現在、訓練を受けたことによって、8万5,000名が家事労働者という資格を得ております。しかし、香港の家事労働者の賃金は、時給約50香港ドルで計算され、就労時間は週に数時間という、月収は非常に安いのです。仕事の内容は一般的な家事や高齢者、子どもの世話をすること、妊産婦の世話することなどです。
 香港家事労働者総連盟は2001年に結成され、現在の組合員は約1,000名です。HKCTUの再就職訓練センターを利用して、5つの地域で労働組合活動を行っております。この家事労働の職種は、労働法で定められた4・1という制限を受けているため、有給休暇や失業保険などの保障を受けとることはできず労働者の不満は大きい。
 4・1というのは、連続4週間で毎週の労働時間が18時間を満たせば労働法で保障されるというものですが、雇い主のほとんどは私たちに18時間も働かせない。
 また、労働法の規定で雇い主は労働者のために労災保険に入らなければならないがそれに違反して保険料を納めない雇用主は約93%と把握されております。

労働組合の取り組み

 現在、組合は家事労働者の労働権益を確保するために労働災害や職業病を補償するための中央補償基金、労働法の4.1規定の排除、パート、アルバイトの職場の保障、最低賃金、賃金制度相場制などを政府に改善、撤廃を求めています。
 また、定年保障や雇用機会の提供で家事労働の人権尊重されること。そのために雇い主や政府へ抗議集会を開催、その状況を組合新聞「家事ポスト」のコラムへ紹介し、家事にかんする情報交換や相談窓口を設定し活動を高めています。私たちや外国出身の家政婦は互いに応援し合い2004年10月、アジア家事労働者ウエヴサイトを開設しました。

香港労働組合連盟(HKCTU)
トン クワイツアン

 

 党支部は一般公務員の労働権益と尊厳を守るために1994年に結成され、現在、組合員は1、000名以上です。
1997年に香港特別行政府が成立して以来、政府は国の財政赤字の根源は、公務員の給料が高いと公務員をやり玉に上げてきました。とりわけ一般公務員は、真っ先に矢面に立たされています。
 アジア金融危機が発生した後、政府は公務員に対し、給料の削減、希望退職をはじめ
人員削減を実施し、失業した一般公務員の失業者は約3,000名になり、公務員の強い不満を引き起こしました。2002年7月7日、約4万人の公務員により開催した公務員に一方的にしわよせする政府の減給立法に反対するというデモ行進に当支部も参加しました。
 また、政府は規制緩和の一環として、公共施設のトイレや道路掃除を民間清掃業へ委託することにより、労働者の労働条件が引き下げられていくのが顕著にあらわれることになりました。たとえば、1日12時間も勤務しているのに、賃金は約4,800から5,200香港ドルしか支給しないことや、清掃労働者に支給される特別手当の削減など、働く意欲を剥奪する行為としかいいようがありません。組合は反対意見を政府に訴える手段として、組合員の作業実態を把握し、政府の削減理由を非難してきました。
 このような組合員の団結による闘争の結果、政府の手当削減計画を棚上げにさせました。組合が提唱して実施した抗議活動は組合員の幅広い支持を得、組合の組織は迅速に拡大されました。

組合が直面している問題

 政府が公務員募集を凍結させているため、若い労働者が採用されない、一方で定年になる組合員が組織を離れる状況をみるに組織が縮小傾向にあることです。組合としては対策を講じると同時に、民間企業の清掃労働者と協力し、賃金をはじめ労働者の労働条件を引き上げる対策を検討する必要があります。