2009年 中国の労働事情

2009年10月23日 講演録

中華全国総工会(ACFTU)
リュ・ショーエン(Ms. LIU Xiaoyan)

労働保護部総合処処長

 

1. 労働情勢

 新中国の成立以来、とりわけ改革開放以降、労働組合は中国共産党の指導のもと、改革開放に多大な貢献を果たすとともに、社会主義市場経済における組織発展という新たな道を歩み、組合自身も大きく発展してきた。2008年末までに全国の組合員数は2億1200万人に達し、社会の重要な柱となっている。
 労働組合は、社会主義市場経済における労使関係の協調、労働者権益の擁護、経済社会の発展促進、また社会主義調和社会の構築を積極的に推進している。

2. 現在直面している課題

 直面する課題の第一は、小康社会の全面建設と社会主義近代化の促進加速である。我が国の社会経済、組織、雇用方法、利害関係等は日増しに多様化し、経済関係と労働との関係は一層複雑になり、労働者の思想観念にも深い変化が生まれている。権益の実現と生活スタイル、精神文化に対する労働者の要望にも新たな変化が出てきている。
 第二は、改革が深化するにつれて企業組織の形式、経営方法、雇用方法などにも大きな変化が生まれ、非国有企業と外資投資型企業の組合組織率が減少している。
 第三は、国際金融危機が労働者の雇用、収入、社会保険などにもたらしたマイナス面の影響である。

3. 課題解決に向けた取り組み

 以上の課題に対する主な措置は、[1]労働コンテスト(テーマ「互いに助け合って成長し、業績を立てて発展する」)の実施、[2]労働組合の技能教育による質の高い労働者の大量育成、[3]企業別の民主管理制度を確立し、様々な参画形態を多様化して、労働者の民主的な政治権利を擁護する、[4]「共同建設、共有利益」を推進し、雇用、所得分配、社会保障、安全衛生を重点に、その実効性を高めていく、[5]農民工と非国有企業を重点に組織率を引き上げ、組織を強化し、社会的な影響力を拡大していく、[6]国際金融危機に対応するため「共同約定」行動を展開し、労働者が企業と協力して困難を乗り越えていく、[7]生活困難な労働者と農業労働者の基本生活を援助していく、などである。

4. ナショナルセンターと政府の関係

 労働者の合法的な権利を守り、調和のとれた労使関係を確立していくことが政府と総工会の重要な役割。このための第一は労働関係三者協議制度の構築、第二は労働組合と政府による同レベルの合同会議制度の確立である。
 2001年からナショナルセンターと政府、そして企業家協会による労働関係三者協議制度が作られ、労働者の合法的な権利を擁護し、保障して、調和のとれた労使関係を確立している。近年来、各省レベルにおいても三者協議機構が整備されてきている。
 総工会の取り組みは、[1]経済体制改革政策と社会経済発展計画への政策的な意見や提案、[2]政府と関係者への労働関係の現状や問題点などの報告・研究分析・協議、[3]政府が制定する労働関係に関する法律や法規、政策などについての意見と提案、[4]地方での三者協議制度の確立、労働関係の調整作業の諮問、指導の実行。地方の労働争議処理の指導、[5]甚大な影響を及ぼす集団労働争議、集団性事件に対する調査研究、政府等関連方面への解決と予防に関する意見と提案、などである。