2015年 ウズベキスタンの労働事情

2015年7月10日 講演録

ウズベキスタン労働組合連合(TUFU)
ラフシャン・メルソヴィッチ・ベディロフ

 

【好調な経済成長が続くも、労働者の権利保護が課題】

 現在、世界情勢は大きく変化しており、非常に深刻な経済危機を迎えている国もある。しかし、ウズベキスタンは大統領がきちんと課題をたて、それに向かってさまざまな対策をとった結果、深刻な経済危機から逃れることができた。人口3100万人のウズベキスタンの主要産業は綿花栽培であり、このほか、天然資源にも恵まれ、天然ガス、ウラン、金などが豊富に産出し、建設需要の増加、海外からの投資の増加などで堅調な経済成長が続いている。
 ウズベキスタンの実質GDPは、2013年が8%、2014年は8.1%、2015年には7.8%の成長が見込まれている。この数字については、かなり安定して先進国並みであると分析した国際専門家もいる。こうした好調な経済を背景に失業率は、労働力人口の4.5%以下に抑えられており、毎年約100万人の新規雇用が中小ビジネスを中心に創出されている。
 最低賃金は、2013年は約23万スム(米ドル換算で108ドル=約1万3036円)で、2015年は約35万スム(同200ドル=約2万4140円)となっている。法定労働時間は、8時間で、週40時間となっている。
 ウズベキスタンのナショナルセンターは、我々のTUFUのみである。14の産別、14の地域組織があり、組合員数は600万人となっており、組織率は、労働人口の60%を組織している。
 労働者が直面している課題は、[1]労働者の社会・経済および労働上の権利保護、[2]組合員の法務知識の向上、[3]組合員とその家族の健康増進、[4]労働者の労働安全衛生の確保――などである。
 これらの課題に対しては、国レベルでは、ナショナルセンター、使用者団体、閣僚会議との間で、基本合意書を締結する。この合意書に基づき、所属する関係省庁と産別組織が合意書を締結し、1万8000の単位労働組合は企業と労働協約を締結する。
 また、労働組合員の健康面での援助ということで、サナトリウムや休暇施設で健康増進のために優待価格でパスを2年に1回発行する。
 さらに、14の地域組織において、定期的に各地域で労働者の社会・経済的権利にかかわる法律を説明するセミナーや会議を開催し、組合員からの申請や訴えを法律に従って処理している。また、労働組合の活動家向けに、労働者の権利や労働安全衛生、ほかの問題に関する教材の作成などを行うとともに、TUFUの研修センターにおいて、定期的に労働組合の活動家の能力向上研修を実施している。
 ここ5年間でウズベキスタン国内において、労働組合の評判が良くなった。これは、国レベルで、労働組合が使用者あるいは政府と密接に協力を行いながら、さまざまな問題を解決しているからである。
 ウズベキスタンは綿花の国だというイメージがある。かつては、綿花栽培では、児童労働をさせているとの問題があった。2011年からは労働組合も介入した結果、綿花の収穫に対する児童労働は法律で禁じられ、こうした問題はなくなった。2013年には、ILOが児童労働のモニタリング調査に入った結果、児童労働は認められないとの結論を得て、ウズベキスタンは、児童労働が行われている国のリストから除外された。

*1ドル=120.70円(2015年10月27日現在)