2006年 ウクライナの労働事情

2006年2月1日 講演録

ウクライナ自由労働組合総連盟(KVPU)
オレッグ・ベルドニク

ウクライナ自由労働組合総連盟 国際担当

 

 現在のウクライナにおいては、労働者の保護、労働条件の改善というのがなされていない。失業率7.6%、労働力人口のうちの150万人が失業者である。国民の70%が貧困生活を強いられている。
 2004年の12月、オレンジ革命が行われ、民主主義政権が樹立された。当時50%以上の国民の支持から現在は非常に低くなっている。大統領の個人的支持率は67%と高く信頼を受けていたが、現状は改善されていない。
 労働組合には、3つの組合がある。古い伝統的な組合、経営者又は財閥がつくる不当な労働組合、独立した自由な労働組合連合である。
 2005年はKVPUにとって、政府からの弾圧のない初めての年となった。組合拡大活動の結果13万人から21万人へと組合員を拡大してきた。この結果、新しい問題が発生した。伝統的古い組合が経営者と手を組み、KVPUに対し圧力をかけてくる現象が起こっている。これらの法律違反に対し、裁判所や検察庁は取り上げようとしない。
 経営者は古い労働組合と労働協定を結びKVPUを無視している。会社内に複数の労組があり、KVPUがある場合は団体交渉の際は書面で通知がある。この場合は複数の労組代表を集め交渉を行う提案がなされる。もし複数の組合の中に伝統的古い労組がある場合は、KVPUに対し交渉相手としない旨の通知があり、会社は伝統的古い組合と団体交渉が行われ、協定が結ばれてしまう。
 KVPUは、ILOやICFTUといったような国際機関に協力を求め、政府に対し圧力をかけてもらう、結果としては効力がある。
 政府はKVPUの労働組合の権利、権限を復活させる措置をとるが、十分に改善されないので、KVPUは困難状況に置かれている。
 もうひとつ労働組合として深刻な問題は、旧ソ連邦の時代から労働組合が持っている財産の分配がある。旧ソ連時代の労組の財産は38億USドルといわれているが、ひとり占めしているのが伝統的に古い労組であるウクライナ労働組合連盟である。当然、KVPUとして財産は必要なので、組合の法務局、国際局と会長の三者で財産分割に力を注いでいる。
 私共KVPUの会長は議員にもなっているので、議会を通して労働者の権利を守ることを大事な活動として、法案整備に力を入れている。残念ながら、労働組合提案の法案は国会を通らないのが現状である。理由は委員会の意向で決まってしまうケースが多いからである。
 最後に、KVPUは各企業別に単組をつくろうとしている。これらの単組を全体的に団結させ、国際的舞台で活躍ができるようにする。グローバルユニオンに入る努力を行う。
 2006年は総選挙が行われるが、KVPUは大会で労働者を守るために効果的に政治勢力を利用するためチモシェンコ陣営を支持することを決定した。