2008年 モンゴルの労働事情

2008年10月21日 講演録

モンゴル労働組合連盟(CMTU)
ダルハンチュルーン・ゴンボスレン
(Mr. Darkhanchuluun Gombosuren)

社会経済局政策推進部 部長

 

雇用情勢

 モンゴルでは1990年以降自由市場経済が発達し、私有化が進んでいる。また、新たな市場システムが確立されている。2007年の労働年齢人口は164万2,200人で、今年は101.4%増加している。若者の失業率は他の年齢層よりも高い。登録している従業員の34.9%は25~34才の若者である。就職斡旋および相談窓口サービスが設けられている。2008年には28,200人の失業者に職業指導が行われた。1990年の時点では、民間部門の生産高はGDP(国内総生産)の10%にすぎなかったが、2007年には76%に達している。全労働力の75.1%は民間部門で雇用されている。

労働運動における当面の課題

 社会保険 についてモンゴルの労働組合は、社会保険料積立金の運用益を増やすために、国の単一の財務から社会保険基金を分離し、財務管理を改善することに取り組んでいる。今年は石油、燃料、電気、暖房のほか、肉や米などの商品価格が急上昇しており、特に低・中所得層をはじめとしてモンゴル全ての労働者の生活に影響を与えている。CMTUは労働・社会福祉省とモンゴル雇用者協会に対し、全国的な三者協議を直ちに開始するよう声明を送っている。労働者および組合員の利益に反する違法行為も職場でエスカレートしている。

モンゴル労働組合連盟の取り組み

 社会保険については、2008年4月18日に、CMTUは物価高騰反対と社会保険基金(SIF)管理の改善を求めるデモを行った。政府の回答は2008年経常国家予算を見直し国債証書にしたがってSIFに負っている金額を払い戻すというものだった。加えて政府は、CMTUと連携して一部の社会保険関連法の改正法案を作成する任を負うことになった。 CMTU、モンゴル雇用者協会、不正競争規制庁と連携して、現在の物価情報を調査して標準価格を決定するための具体的かつ実行可能な措置を策定する運営委員会の発足を決定した。
 昇給に関しては「労働および社会的合意に関する国内三者協定」に従い政府に要求を提出した。公務員の賃金引き上げ、民間の賃金の引き上げ、最低賃金の引き上げについては2008年10月1日からの賃上げに合意が成立した。 モンゴルの労働組合は、あらゆるレベルにおいて組合員の法的権利の擁護に力を注いでいる。争議の即時和解を目的に法律家チームと三者小委員会および支部委員会の設置を決めた。今までのところ、ウランバートル支部委員会と、21県のうち17県のみ支部委員会が設置された。本年は約30件の労働争議事件がこの委員会によって解決された。CMTUは、将来モンゴルに労働裁判所を設立する第一歩だと考えている。
 組合員の無料法律相談、苦情のまとめ、必要な場合には使用者と労働者の話し合いに同席する。裁判所に提訴する場合には組合員への弁護サービスを提供する。

多国籍企業

モンゴルの鉱物資源は、既知の資源も潜在資源も含めて国の将来にとって大きな可能性を持っている。過去数年、特に鉱業と建設の部門で多くの外国企業の投資があった。モンゴル国民の経済発展と富は、基本的にはモンゴルと採取産業で活動する外国企業との公正な協定にかかっている。モンゴルで事業活動を展開する外国企業例としてはボロー・ゴールド、アイバンホー・マインズ・モンゴリア&QGXモンゴリア、リオ・ティント、ザパティ・マインズ、ランド・ドリルがあげられる。CMTUはそれぞれの鉱山における安全と衛生条件に特に注意を払っている。