2009年 モルドバの労働事情

2009年9月11日 講演録

モルドバ全国労働組合連盟(CNSM)推薦
ヴェアセスラブ・ルファーラ

Chirisnau Power Networks労働組合 委員長

 

国内の労働事情

 総人口は356万7,500人(2006年国勢調査による:ドニエステル沿岸流域の60万人は含まず)。モルドバでは人口が減少し少子化が起こっている。人口減少の原因の一つは死亡者数が出生者数を上回っているからであるが、もう一つの原因は海外移住者の増大である。労働力人口は119万人で、就業者数は109万100人。年金受給者は62万1,000人で、平均給付額は月額70米ドル。失業者数は9万900人で失業率は7.7%。失業手当の平均給付額は月額77米ドルである。
 国民の購買力低下により国内では現在デフレ現象がみられる。2009年7月の消費者物価指数は2008年12月比でマイナス1.8%であった。必要最低生活費は月額120米ドルとみられているが、政府によって決定されている最低賃金は民間部門が80米ドル、公務員が53米ドルである。平均月額賃金は237米ドル。国民一人当たり所得は月額100米ドルである。
 海外移住者からの送金額がGDPの40%を占める。現在のモルドバ経済はこの海外からの送金によって成り立っている。

労働組合が抱える諸課題

 2007年に2つのナショナルセンターが統一して現在のCNSMを結成した。統一の目的は政府や企業が労働関係の法律を順守しているか、労働者の権利を守っているかを監視する力を強化するためである。もう一つは雇用の確保など労働者の様々な要求に力を与えるためである。労働者・労働組合は様々な諸課題を抱えている。経済危機で失業率の上昇、闇経済の横行、アウトソーシング、海外への移民、同時に海外からの帰国、労働者の要求を満たさない低賃金、民間企業労働者と公務員の賃金格差、社会保障制度の不備、労働安全衛生問題、男女平等の問題、若年労働者の問題、法的保護の不完全、農村部の労働に対する保護政策の不備など多様にわたる。新規雇用を創出するために新産業の育成も重要である。

諸課題解決の対策

  • CNSMは人員削減の対象となる労働者の社会的保護に関する全国協定を立案し、社会パートナー(政府および使用者団体)に締結を求めている。
  • 政府に対し、不当解雇や賃金未払い、労働時間短縮、強制的操業休止などの禁止、雇用を保障するための一連の経済危機対策を立案し、それらを採択するよう要求している。
  • 政労使三者委員会で最低賃金の引き上げ、様々な労働条件の改善問題などを交渉している。
  • 政府に対し労働裁判所の設置、労働基準監督の整備、労働安全衛生分野におけるヨーロッパ並みの基準設定と法整備を要求している。

国際活動

 旧ソ連邦の共和国レベルの労働組合で組織するGeneral Confederation of Trade Unions(GCTU)にも加盟し、ロシアとの関係を維持している。