2016年 カザフスタンの労働事情

2016年7月1日 講演録

【カザフスタン労働組合連合(FPRK)】
ジュマグリ タジベコヴァ(Ms. Zhumagul Tazhibekova)

(アルマトイ市支部委員長)
エカテリーナ スミシリャーイェヴァ(Ms. Yekaterina Smysheyayeva)

(コスタナイ州支部会長)
ジャンナ サイウム(Ms. Zhanna Saiym)

(カザフスタン健康関連労働組合連合マンギスタウ州支部副会長)
アリベク サッタロフ(Mr. Alibek Sattarov)

(カラガンダ州支部副会長兼地域女性委員会副議長)

 

1. 労働情勢

 実質GDPは、2014年が4.3%、2015年が1.5%、2016年の見通しが0.5%となっている。
 失業率は、2014年が5%、2015年が4.9%、2016年の第1四半期が5.1%である。
 最低賃金(月額)は、2014年が19,966テング、2015年が21,367テング、2016年が22,859テングとなっている。
 法定労働時間は、1日8時間、週40時間である。

2. カザフスタン労働組合連合(FPRK)の活動

(1)現在の主な活動内容(活動戦略)
 カザフスタン労働組合連合(FPRK)には18の産業別組織と16の地域組織があり、組合員は約200万人である。
カザフスタン労働組合連合(FPRK)は、現在、社会的パートナーシップ、労使関係の調整、労働運動の改革・近代化等に力を注いでいる。具体的には、賃金の改善、その他の労働条件、労働者の権利、効果的な雇用の促進、労働安全衛生、社会的パートナーシップの推進等の活動を行い、こうした活動の中で青年層の組織化も積極的に進めている。
 ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領が1994年に社会・経済・労働分野の社会的パートナーシップに関する大統領令に調印した。今日、世界的な経済危機、またグローバル化の挑戦を受けているが、この社会的パートナーシップは大きな効果をもたらしている。国家、企業、市民社会との間の対話が促進されている。法的整備もされてきており、この中には労働組合法、労働法も挙げられる。この労働組合法が出来たことにより、労働組合が労働社会に関する様々な法律や基準の作成に参加することが出来るようになった。こうした中、私たちの組織が直接参加して今年1月1日に施行された新しい労働法が採択されている。労使関係については、労働協約が中心になって定められており、労働条件や労働安全衛生に関してもこれまでは国家が保障していたが、今は労働協約が基本となっている。

(2)社会的パートナーシップのシステム
 社会的パートナーシップの基盤は、国(政府)、労働者の利益を代表する労働組合、雇用者組織の3者によってコンセンサスを図っていくことにある。
 今現在、社会的パートナーシップの枠内で実現されているものの一つに、労働者の権利の保障に関する覚書の締結がある。これは、行政区と地元企業・組織、労働組合が調印をしたものだが、具体的な内容としては、製造工程の安定化や労働権利の保障、労働者の保護に関する覚書等がある。また、雇用者による義務の遵守が行われているか管理するための覚書等の調印についても話し合いを進めている。
 2016年初頭より10万5千件の覚書が調印されたが、うち1,486件が大企業との覚書で、残りは中小企業との覚書である。

【社会的パートナーシップのシステム】
レベル 当事者 組織 手段
共和国 カザフスタン共和国政府
共和国労働組合連合
国家企業会議所
共和国三者委員会 基本合意書
産業
産業別労働組合
国家企業会議所
産業別三者委員会 産業別協定
地域 市町村
地域労働組合連合
国家企業会議所
地域三者委員会 地域協定
企業(組織) 労働組合、雇用者 二者委員会 労働協約

(3)その他の取り組み課題
[1]カザフスタン労働組合連合(FPRK)と加盟組織は国家機関と雇用者団体と協力し、国家技能制度の導入に力を入れている。今現在、どのような技能、専門家が必要とされているのかを検討し、それを踏まえた長期計画を実施している。
[2]カザフスタン共和国における男女平等戦略の実施にも尽力している。社会労働分野の男女平等問題、ジェンダー問題を解決することを目的としたプログラムがあり、各地域にはジェンダー問題を扱う評議会が設置されている。また、各企業に働く女性の問題を扱う「勤労女性問題委員会」が設置され、常時モニタリングを実施している。
[3]労働組合の活動家の育成にも力を入れている。労使関係の調整や交渉・仲裁、労働や雇用に関するプログラムを実施し、活動家に対する研修を行っている。私たちの組織には研修センターがあり、さらに3つの地域に支部をもっており、この中で常時研修が行われている。