2002年 カザフスタンの労働事情

2002年2月6日 講演録

カザフスタン労働組合連盟(TUFK)
サルセンベイ ムンバエフ

アスタナ地方労働組合会長

 

 2001年12月16日にカザフスタンは独立10周年を祝ったところです。現在、カザフスタンには約130のさまざまな民族が仲よく、また合意の中で生活しています。
 TUFKもカザフスタンにとって非常に重要な記念行事に積極的に参加しました。

TUFKの活動方針

 2002年1月24日、TUFKの第19回臨時大会が開催されました。この大会では2000年5月の第18回大会以降の活動についての報告が行なわれました。第18回大会で採択をされた方針の中には労働者の権利侵害に対する闘い、新しい税制に関する労働組合の態度または方針、健康保険制度の確立、労働組合運動の強化・発展、それらへの具体的な労働組合としての取り組み方が含まれていました。今回の大会でもこれらが再度確認されました。
 現在、TUFKには23の産別組織、14の地域組織があります。地域組織の一つとしてアスタナ地方労働組合評議会が設立されました。単組の数は1万5,647、組合員数は150万人で、全労働者の57.6%を占めています。
 労働者の社会的及び経済的権利と利益を守る目標を掲げて、TUFKは国会や政府、そして各関係省庁との関係を強めてきました。この2年間でTUFKが支持をしている政党である労働党(エンベック)が提出をした法案が約90ありました。労働党にはTUFKが推薦した議員、またはTUFKの方針を支持している議員が22名います。国会の議員数が77名ですが、その内の22名が労働組合の推薦を受けた議員か、もしくは労働組合を支持している議員になります。
 2000年12月にTUFKのイニシアティブにより、国会で社会的パートナーシップに関する法律が採択されました。また、労働者の社会的問題に関係する8つのILO条約が批准されました。その中には強制労働に関する第29号条約、同一労働同一報酬に関する第100号条約、強制労働の廃止に関する第105号条約、最低年齢に関する第138号条約などが含まれています。
 TUFKの提案を受けて、政府は貧困や失業問題に関するプログラムや国民の社会保障に関する構想を取り入れました。また国会では国家社会援助法が採択されました。そしてTUFKの参加のもと、2003年から2007年に向けて貧困を解決するための構想を策定中です。
 また、TUFKの努力によって、2002年1月1日より最低賃金が20%引き上げられました。国家公務員の給料も25%引き上げられることになっています。現在、カザフスタンの平均賃金はCIS諸国の中でも一番高いレベルになっています。2001年末のデータによると、平均賃金は月額118ドル、最低賃金額は27.7ドル、最低年金額は28.7ドルです。しかし最低生活費は国民1人当たり30ドルですので労働組合としては、このレベルではまだまだ満足をしていません。今後とも賃金引き上げのために闘っていきたいと思っていますし、特に最低賃金が最低生活費を上回る額にしていきたいと考えています。
 現在、国内の労働人口は400万人です。公式に失業者として登録されている数は21万6,100人です。従って失業率は2.8%になります。失業者の中で16歳から29歳の青年層は28.7%、女性は57.8%です。失業率が2.8%というのは非常に低いと思われるかもしれませんが、これはきちんと公的機関に登録されている失業者の数で、実際の失業率は9.2%に上ると言われています。
 これらの数字を見てもカザフスタンには社会的、経済的問題が数多くあります。このような問題の解決に対して、TUFKとしても、また各労働組合としても懸命に闘っているところです。具体的な活動の内容は、労働者・労働組合の自由を制度的に実現すること、正当な賃金を保障すること、社会保障を達成することなどです。
 労働者の権利と利益を守るための法律や規則が各企業においてきちんと遵守されるように、特に外資系企業において遵守されるように努力をしています。また、失業と貧困の問題の解決が大きな課題です。さらに男女平等問題もあります。女性労働者をいかに組織化するか、また女性に労働組合の活動にいかに積極的に参加してもらうかという問題があります。経営者から追加的な手当てや福利厚生をいかに達成するか、そのために社会的パートナーシップを通じて、また団体交渉を通じて積極的に進めています。
 以上のような活動内容が、第19回臨時大会でも再確認をされました。
 TUFKは、ヨーロッパ、中央アジア、東アジアとの交流を進めています。さらにILOの諸活動にも積極的に参加しています。ICFTUなどの国際組織との連携も深めています。