2006年 グルジアの労働事情

2006年2月1日 講演録

グルジア労働組合連盟(GTUC)
ゴチャ・アレクサンドリア

グルジア労働組合連盟会長代行

 

 2005年9月、グルジア労働組合連盟(GTUC)は臨時大会を開催し新しい役員が選出された。会長に選出されたイラクリ氏は昨年のJILAFの研修に参加した経験がある。今回の改選は、労組の活動が抜本的に拡大していくことを意味している。
 現在、労働運動の抱えている問題のひとつは内部の構造的な問題であり、もうひとつは政府との関係である。また、市場経済に移行していく中での変化や、グローバル化への対応がある。
ここで政府との問題点について説明する。政府は投資の拡大、ビジネスの促進に力を入れている。その傾向から、政府は半年前から公然と労働組合を否定しはじめ、社会における労働組合の役割も否定している。
 具体的な例としては、昨年11月、政府は使用者側、労働組合側との話し合いもなしに、一方的に新しい労働法案を作成した。社会的対話が行われず、国民の大部分を占める労働者の意見も聞かずに作成した。
 政府は8つのILOの基本条約、及び関連する5つの条約に批准している。また、議会は欧州ソーシャルチャーターも批准している。本来の社会的なパートナーである労使とは話し合わず、国会に提出している。
 これに対し、GTUCは社会的なパートナーを無視したということで、大々的に抗議のためのデモを行った。また、メディアを動員したり、国際的なNGOとの協力のもとに抗議運動を行った。
 この結果、政府は国会に提出した労働法案を引き下げ、労働組合との対話も開始した。この春の国会における委員会に労組代表も参加することになった。この件に関連し、ILOのモスクワ代表が調査のためにわが国を訪問する。
GTUCとして、国際的組織に依存することは、基本方針に反するが、モルドバ、グルジアにおいても労働運動への侵害が起きている。グローバル化された問題については、欧州委員会やILOと国際連帯を図って問題解決を目指すことが必要となっている。
 先述の労働運動の問題は、産別組織のリーダーの中には、15年~20年前のリーダーが残っており、社会主義時代の思考法が変えられない、新しい問題に対応できない人がいることである。このため、新しい人材、若い労働組合の活動家の育成コースも、厳しい予算の中で創設していくことを考えている。
現在、GTUCには28の産別労組が加盟しているが、経済の情勢に合っていないので、統合・整理し15から16の産別組織にしたい。
 客観的に見て、労働組合自身で解決できない問題がある。経済のグローバル化や国内のヤミ経済、難民問題(約30万人)流入等がある。重要なことは、政府が労働組合を社会的なパートナーとして認めること、市民社会の代表として労組を認めることである。