2005年 グルジアの労働事情

2005年2月2日 講演録

グルジア労働組合連盟(GTUA)
ラシャ チチナジェ

副会長

 

運動方針

 グルジアは総面積6万9,000平方キロメートル、総人口約500万人の国です。労働人口は約217万人、労働組合に加入している労働者数は約66万人です。このうち約35万人を組織化するグルジア労働組合連盟(GTUA)は、グルジアにおける雇用労働者の権利と利益を守る最大の社会団体として極めて多角的な活動を展開しています。私はこのGTUAの副会長として、労働者の社会的権利、特に労働法制で定められている権利の保護に労働組合が積極的に参加し、力を発揮できるよう努めています。かつての体制の影響がまだ国内の至るところに残っており、このため社会と経済は今もって緊張感に包まれています。
 具体的な例を挙げますと、まず慢性的な国家予算の不履行によって賃金や年金や各種手当の未払いが何カ月にもわたって続いており、国家の債務が恒常的に累積されています。また最低賃金の額と最低生活費の間には大きな開きがあり、最低賃金では暮らしていけないのが実状です。何万人もの労働者が不当解雇にあっているという現実もあります。光熱費や医療費、輸送費などが際限なく、激しく不当に引き上げられています。物価も恒常的に上昇し、生活水準はどんどん下がってきています。それに加えて政府の至る機関、至るレベルで汚職がはびこっています。
 このような現状において、私たちは次のような活動を展開しています。まず労働法制保護の管理強化。それから経済状況と各産業別部門の企業・団体の現状を的確に把握し、その問題点についてGTUA理事会で解決方策を採択すること。また、これについて公式声明を発表すること。政府への要求書提出、記者会見の開催、抗議行為、集会デモの開催なども行っています。
 ストライキは必要に応じて地域別、全国レベルで行います。電話でいろいろな相談を受け付ける24時間ホットラインも開設しています。新たな情報が入ってきたときには、それに対して迅速に対応していきます。状況に応じていろいろな広報活動を、具体的には、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ等に声明を発表します。そのほか、憲法裁判所や最高裁判所へ告訴をすることもあります。

労働運動と政治

 最近グルジア議会は、労働組合を無視して現行の労働法制に何の根拠もない修正を加えました。この修正により、経営者が恣意的に、何の手当や再就職の保障もせず、労働者を簡単な手続きだけで解雇できるようになろうとしています。それに対して私たちはグルジア憲法裁判所に告訴をしましたが、まだ法廷での審議はなされていません。私たちはグルジア憲法にのっとって3万人の署名を集め、議会に対してこの修正案を破棄するよう要求したいと考えています。グルジア保健労働社会保障省には、グルジア欧州経済政策法律問題センターと呼ばれるところがありますが、そこの専門家とともに労働法案を作成しました。
 今現在、私どもの労働組合が所有している所有物、不動産を、不法に占拠しようという政府からの深刻な圧力を感じています。特に世界的にも有名なリゾート地があるサナトリウムや保養施設がその対象となっています。ある国会議員が、これらの財産は国民のものであり、国民に返すべきであると主張し、世論を煽りました。これを受けて政府と交渉をしているわけですが、最終的な結論は出ておりません。
 この6カ月間、グルジア検察庁が組合の所有物する不動産の財政的な書類に関して調査をしています。幸いなことに私たちの方からは公的な資産であることを示す書類は何も見つかっていません。これは当然のことです。しかし検察庁は、私たちがこれらの不動産を国に引き渡さない場合は逮捕すると脅しをかけてきています。
 この問題の解決を難しくしているのは、法律違反、違法行為が集団的に行われているためです。国家機関・非国家機関の違いにかかわらず、非常に広い範囲で違法行為がなされていて、それに対して法律遵守を強いる効果的なメカニズムが国内にはありません。首脳が頻繁に交代をしていることがこの問題をさらに複雑にしています。新しい政府首脳は自分の仲間を引き連れて新しい政権を形成しますので、今まで働いていた人たちを大量に不当解雇することが行われています。結果的に労働者の利益が侵害されることになっています。政府は約束をするだけで、その約束を実行しようという意思もなければ、手段も持っていない、可能性もないと思います。
 つい先日、2004年11月19日、GTUAの第6回定例大会が開催されました。その席上、組合の実践力向上を目指した広範なプログラムが定められました。このプログラムに関しては社会の幅広い層からの参加を得てプレゼンテーションがなされました。私たちはこのプログラムを断固実行していこうと固く決意しています。海外の友人の皆様からこの件への支援を期待したいと思っております。今回の会合に関しましても、私たちに対する支援の一部であると受けとめています。