2011年 ベラルーシの労働事情

2012年1月27日 講演録

ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)
Ms. アクサナ・ケルナツィツカヤ

 

1. 労働事情(全般)

 1994年に現体制となって以来、BKDPに対する政府の圧力が急激に強まった。当局はあらゆる手段で独立労組の運動をつぶそうとしている。既存の労組(ベラルーシ労働組合連盟<FPB>組合員400万人以上)は、完全に国に従属してその統制下にある。
 2000年以降、国内の独立労組の状態はさらに悪化した。大統領は、第2号『社会団体、政党および労組の登録について』と、第29号『全労働者の1~5年の短期雇用契約への移行について』と言う2つの法令を発令した。そのうち第2号では、新たに設立される独立労組の登録あるいは再登録を不可能にした。また、法令29号を労働者および独立労組に圧力をかける為に利用している。雇用契約を延長しないと脅して、労働者に独立労組からの脱退を強要し、全ての反対派を弾圧している。

2. 労働組合が現在直面している課題

 BKDPの課題は、こうした大統領令による様々な差別を撤廃させる為の闘いをしている。具体的には、[1]ILO調査委員会の勧告をベラルーシ政府に確実に実行させること、[2]労働組合の登録許可制を撤廃させて、通知制度に変えていくこと、[3]労働者が自分の意志で労働組合を作ったり、労働組合に加入したりする権利を保障するための条件を作ること、[4]労働者の権利および利益を守る為に、全ての労働組合を強化し、組合員を増加させることを目指して取り組んでいる。

3. 課題解決に向けた取り組み

 差別的な法律を撤廃するために、企業の労務職および事務職、一般市民に対し情報提供を行ない差別の真相を説明している。そして、政府や経営者に労働者と労組の権利を侵害させないよう、積極的に呼びかけている。
 ILO勧告を実施させるために、政府および経営者も参加する第三者委員会のセミナーを開き、労働者が団結権、団体交渉権を行使できる条件作りをしている。また、公正な民営化や具体的な違反のケースの解決などの問題を議論している。
 組織強化のため、青年、女性、非組合員向けの様々なセミナーも開催している。新しい組合員獲得を目指して、女性のネットワークを利用し、青年向けのサマースクールを実施して、団体交渉のやり方、安全衛生、労働組合改革などについて、議論を重ねている。また他の国の労働組合とも非常に密接に協力している。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 BKDPは、政府・経営者団体および労組の間で、基本合意書を立案・採択する三者国家評議会に参加している。また、労働・社会保障省管轄下、労働・社会分野の法律改正三者評議会にも参加している。

5. 多国籍企業の進出状況について

 ベラルーシで活動する多国籍企業は数えるほどしかない。それらの企業幹部は、自社内に労組設立を許していない。