2010年 アゼルバイジャンの労働事情

2010年12月3日 講演録

アゼルバイジャン労働組合連盟(AHIK)
サイダ ガリブ ガリボヴァ(Ms. Saida Galib Garibova)

国際関係部 国際専門担当

 

1.アゼルバイジャンの労働情勢(全般)

 アゼルバイジャンは世界経済危機の後、経済が徐々に立ち直りつつある。最小限の損失で経済危機を脱したと言える。経済危機の期間中、アゼルバイジャンの労働組合によって社会経済状況のモニタリングが実施された。労働組合の参加のもと実施された危機対策プログラムのおかげで、国内の労働者の抱える多くの否定的現象や経済危機の名残りが緩和された。現在、経済の多くの部門でビジネスが活性化している。主要指標を見ると、2010年の上半期、経済のリアルセクターにおける状況は上向き始めている。
 アゼルバイジャンの労働人口は、2010年10月現在、434万2,400人で、対2005年比で4.2%増加した。2010年10月現在、就業者数は408万3,600人で、平均6.1%増加している。就業者のうち、雇用労働者の割合は31.4%である。2010年10月現在のデータで、アゼルバイジャンの雇用局に登録されている失業者の数は3万9,129人となっている。最新のデータによれば、アゼルバイジャンの失業者総数は、ILOの算出方法に基づいて計算したデータで約26万人となっている。
 失業手当については、10月末の時点で175人の登録失業者が失業手当を受給している。失業手当の平均額は177.3ドルである。過去5年半の間に90万件の新規雇用が創出された。国民所得も増加し、2010年10月の名目賃金は、対2005年同期比で2.6倍に増えた。USドルで400ドルに相当する。2005年から2010年の間に最低賃金は3.4倍に増えた。今年9月1日以降は最低賃金額がさらに引き上げられ、85マナト(アゼルバイジャンの通貨単位)になった。これは必要最低生活費の97.7%に相当する。

2.労働組合が直面する課題

 労働組合活動における優先課題の一つが賃金引き上げであるが、それ以外に労働分野で労働組合が直面する問題を幾つか挙げたい。[1]労働者のディーセントワークのための条件・環境整備、[2]人々の生活水準の引き上げ、[3]労働者の労働条件の保護及び履行の監視・管理、[4]採択されている法律や決定の社会性の強化を目指した闘争、[5]労働法規の改善への参加、[6]起こり得る社会的リスクからの労働者の保護、[7]職場での労働安全衛生と製造安全支援、[8]新たな労働組合の設立、[9]社会的パートナーシップの発展及び労働協約の締結、[10]使用者が負担する経費の総額に占める人件費の割合の引き上げ対策、[11]法律違反を許さないということ―などである。