2002年 アゼルバイジャンの労働事情

2002年2月6日 講演録

アゼルバイジャン労働組合連合(ATUC)
ザウール ラスル アルハソフ

アゼルバイジャン石油・ガス産業労働組合中央執行委員

 

石油・ガス採掘公社労働組合の活動

 石油・ガス採掘公社は、アゼルバイジャン国内の石油生産量の70%を占めています。この公社はカスピ海の中央で生産を行っているので、労働者は非常に危険な条件の中で仕事をしています。アゼルバイジャンは石油生産国ですので、石油分野で働く労働者の数も多く、その石油関係者の労働条件の改善が一番大きな課題になっています。
 1994年から98年の間にかけて、国内では石油労働者による大規模ストライキが行われました。これは賃金の遅配が続いていることに対するストライキでした。労働組合は、労働者の権利を保障・保護するために闘ってきたわけですが、経営側と幾度も話し合いを持ってきました。
 この石油の問題に関しては、非常にグローバルな問題ではありますが、ソ連邦崩壊後、まだそんなに時が経っていないということもあり、ロシアと非常に強い関係があります。しかしロシアに石油を売った代金を、なかなか回収できず、そのため賃金の遅配が続きました。
 しかし、この大きな問題も我が国のアリエフ大統領の尽力によって、1998年以降は非常に安定するようになりました。現在、国内の政治情勢も安定しており、石油関係労働者にも賃金が支払われており、遅配は解決されています。年金生活者にも毎月、年金が支払われるようになりました。経済的にも成長を見せています。
 石油関係の労働組合は、まず労働者の権利を守ること、同時に各職場、生産現場においての安全を守ることに力を入れています。また労働者の健康、休暇の保障を守ることにも努めています。

国内の状況

 現在、国内では国有企業の民営化が進んでいます。この民営化が進み、今後5年、10年後に、どのような状況になるかは現段階では推測が難しい状況にあります。いずれにしても、民営化が進められ、特に石油部門では外国企業が盛んに進出し、国内企業との合弁企業等の設立が進んでいます。
 外資系の企業や合弁企業は地元の企業の約10倍近い賃金を支払っています。しかし、これらの外資系企業では、まだ労働組合がつくられていません。外資系企業の経営者は、自分の企業を含めて国内に労働組合をつくりたがらないのが現状です。それが労働組合にとっての一番大きな悩みです。
 労働者は労働契約を結んで雇用されていますが、いつ、どのような条件でやめさせられるかわからない不安定な状況です。
 現在は国内の失業者も大変多くなっています。国内には非常に優秀な労働者はたくさん、、いますが国内では就職できない状況なので外国に出稼ぎに出かけています。
 ATUCはトルコ労働組合連盟(TURK-IS)と密接な関係を持っており、TURK-ISのセミナー等に招待を受けています。トルコでも、我が国の現在と同じような経済危機を乗り越えてきた経験をもち、外資系企業によって、労働者が被害をこうむらないようにいろいろ研修をしてもらっています。
 ATUCの組合員数は減少しています。現在、今までの労働組合が残っている事業所は大企業だけです。新たにつくられたサービス部門、合弁企業、また中小企業には、まだ労働組合はつくられていません。
 ソ連邦崩壊後、約10年が経過し自国通貨が発行されるようになりました。アゼルバイジャンはコーカサス地方で国内での生産によって自立ができる唯一の国ではないかと思います。しかし製造業部門の投資が進んでいません。