2001年 トーゴの労働事情

2001年6月27日 講演録

アイエレ・マウエナ・ドグベ
全国法律事務所従業員組合 労働者教育担当

 

国内の状況

 90年から非常に社会不安が増大しています。特に、選挙の際にさまざまな恐喝が行われ、98年4月の選挙で、これまで34年間、大統領であったエアデマ氏が得票数では負けているにもかかわらず、選挙の結果 をごまかして、ついにまた大統領職についたという状況です。
 こうした状況では組合組織は正常な活動を行うことができません。市民の権利、労働者の権利というものがなおざりにされています。労働者の権利は常に侵され、暗殺なども頻繁に行われています。UNSITの副書記長のドウ・モンゲ・リマン氏もそうした目に遭っています。また、政党に関しての第一責任者 であったタビオ・アモランもそうです。ジャーナリストのアルビ・トルバッサ・レオポルドも暗殺されました。
 こういった状況が激しい政治的な運動を生む結果になりました。また、世論もそれに動かされており、フランスやドイツ、アフリカのフランス語圏諸国、あるいはEUなどの支援もあって私たちはこうした状況に立ち向かうことを決意しています。こうした外国から の圧力、あるいは国内の運動によって、トーゴの大統領はフランスの大統領に対し、2000年3月に議会を解散し、2003年には政権の座から降りることを約束していますが、現在まだこの約束はどれも果 たされていません。特に、2001年10月14日及び28日は国民選挙の日と決められています。ただ、国民の多くはこの選挙はほんとうに行われるものかどうか大きな疑問を持っています。というのも、さまざまな妨害や、あるいは逮捕などが現在行われているからです。
 経済状況について、全体として言えることは、悪化しています。1995年1月、CFAフランの切り下げによって非常に大きな影響が出ましたし、国民あるいはトーゴ労働者の購買力が極端に落ちてしまいました。この切り下げによりさまざまな増税が行われました。 特に、消費税が18%に引き上げられ、すべての商品、製品、すなわち生活の必需品にまでかけられるようになりました。
 構造調整プログラム及び債務の返済の強制がブレトンウッズ体制によって行われて、国民経済が非常に困難な状況に置かれ、弱体化しています。トーゴが抱えている債務の額は、トーゴの前首相クワシキルゼが99年の予算委員会で公表した数字では、GDPの94%に当たります。
 社会的な状況についてお話しします。生活条件は非常に悪くなっています。民営化に伴って、解雇が非常に多くなっています。購買力も非常に落ちていて、この20年間で199%下落しました。給与の支払い、あるいは年金、さまざまな手当が何カ月も遅れて支払われるという状況です。学生への奨学金なども3カ月から4カ月も遅れています。
 こうした状況を背景として、多くの教員UNSIT傘下の教職員連盟(FETRN)の組織化された労働運動に参加しています。FETRENとUNSITは社会運動、例えばデモ行進、あるいはストライキ、座り込みなどの行動を共同して行っています。自分たちの状況を改善するために政府への要求を掲げてこうした行動に出ています。こうした行動は非常に乱暴なやり方で鎮圧されてしまいました。補助教員も正職員も非合法に解雇されました。明らかにトーゴ憲法、労働法、職業間労働協約、公務員の全体的な身分の保障の違反であり、労働に関する国際条約の無視です。
 こうした行動により、多くの労働運動の指導者が逮捕されました。例えば、ビッピ・ベニソン、UNSITの書記長です。アラガ・コデギ・ピエルFETREN書記長、それから、エロガ・ムーアソン、1999年にJILAFに招待されて日本へ来た人です。また、そのほかにも多くの人々が逮捕されています。こうした違法な行為をILO事務局長と結社の自由委員会に提訴しています。

UNSITの活動

 基本的に労働者の利益を最も効率的に保護するために労働者を組織し、動員し、また労働者を教育することです。そして、最近では以下の活動が展開されました。2000年11月9、10、11日とUNSITの第2回大会が開かれて、テーマとして掲げられたのが、「労働運動の独立に対する挑戦に直面 するUNSIT」というスローガンです。政府からの弾圧に対して労働組合の独立、自由といったものが討議されました。
 以下に述べます期日に各種の行動を行いました。3月8日、国際女性の日「女性労働。者と雇用及び組合、そして家事に関する差別 」というテーマで講演会が行われました。2001年4月28日は、労働運動ゆえに犠牲となった人々を追悼する日にICFTUは指定しており、私どもも追悼式を行いました。2001年5月1日、労働者の闘争の日であります。首都ロメにおきまして大きなデモ行進を行いました。2001年5月19日がUNSITの10周年の日です。「社会保障の未来」と題して講演会を行いました。特に、現在進められている民営化にどう対抗するか、そして国民社会保障金庫の設立。こうしたことがテーマになったのも特に社会保障というものが現在トーゴでは民営化されようとしているからです。そのため、国民審議会が設立されようとしています。
 また、一方では、国内的、あるいは国際的にも大きな動きがあり、逮捕されていた同志も釈放されつつあります。これも国際的な労働運動の連帯によってこうしたことが可能になったわけです。私たちが勝ちとってきた社会的な権利を保護するという意味でも国際的な連帯というものが促進されなければいけないと思います。