2008年 シエラレオネの労働事情

2008年7月9日 講演録

シエラレオネ労働組合会議(SLLC)
エマニュエル・デルウイン・プラット

マスメディア・金融・薬品・一般労働組合事務局長

 

 シエラレオネは人口約490万人の小国であるが、膨大な鉱物資源の開発に途方もない潜在力を有しているが、その潜在力が十分に利用されていない。

社会情勢

  • 学校インフラが不十分で、多くの学校で設備が整っていない。また教師の雇用条件が劣悪で教師の頭脳流出が起こっているなど、教育に多くの困難を抱えている。
  • 農村地域における保健医療施設の貧弱さ、公立病院・医療センターの医療費の高さ、医師の勤務条件の劣悪さと頭脳流出など保険医療分野でも多くの困難を抱えている。

経済状況

  • 内戦により経済活動は大幅に後退したが、終結後次第に回復しつつある。
  • 人口の3分の2が最低貧困生活を強いられており、世界最貧国の一つである。
  • 政府は国際通貨基金(IMF)や世界銀行の構造調整政策に基づいて政策を進めている。民営化などを通じて失業状況がさらに悪化している。
  • さらにインフレが高まっている。

労働組合権

 基本的な労働組合権に関するILO条約を批准しているが、完全適用には問題がある。労働者の権利を侵害する雇用条件によって雇用する臨時雇用、契約労働や派遣労働が増加している。児童労働と児童虐待が蔓延し、児童労働の実効的廃止を求めるILO条約を批准できていない。

労働組合と政治

 労働組合は国会に議席を獲得する活動はしてこなかったが、政府によるより良い統治の実現に向けて活発に活動している。

労働組合運動の状況

  • 過去何年にもわたった内戦や、また国際通貨基金(IMF)と世界銀行の構造調整計画の実施により、労働組合員数は大幅に減少した。そのため労働組合運動の財政基盤は弱体化した。
  • 労働力人口の大半は都市部のインフォーマルセクターで働くか、農村部で農業に従事しているかであるが、両方とも労働者は組織化されていない。
  • シエラレオネの労働法は時代遅れとなり、現在見直しが行われている。
  • 全雇用労働者を包含する全国社会保険信託法が存在する。
  • 労働者のための紛争解決の法的なメカニズムは整備されている。
  • 現在のところ失業保険はないが、職種グループ毎に交渉された協約を通じて、労働者の医療、退職・解雇給付、訓練・再訓練についてはカバーされている