2006年 シエラレオネの労働事情

2006年7月5日 講演録

シエラレオネ労働組合会議(SLLC)
Ms.クリスティナ・コンテ

 

 シエラレオネは、アフリカの西海岸に位置しその国境はギニアとリベリアに接している。人口はわずか420万人である。まずは、ナショナルセンター設立の背景について話をしたい。シエラレオネ労働組合会議(SLLC)は1977年9月15日に結成され活動している。
 SLLCには23の加盟組合があり組合費を払っている組合員は約15万人である。
 最大の組織はシエラレオネ教職員組合で約2万3千人の組合員からなっている。
 SLLCには憲法上3つの重要な役割がある。第一に教育委員会があり、教育長・二人の次長がトップを務めている。第二は女性委員会であり、次長がコーディネーターとしてトップを務めている。第三は青年委員会であり、会長がトップを務めている。組合活動については、1940年1月1日の憲法第221章により、長い間見直しが行われてきた。それに加え、1971年の賃金規制及び労働関係法18号がある。この法律は労働組合が使用者側と自由で公平な対話の手段を持つことができることを規定したものである。これによりILO87号条約並びに98号条約、結社の自由、団結及び団体交渉権に関する条約が実施されることが可能となった。これら3つの法律により、職場における労使関係の習慣、慣習が向上することが認識されている。
 シエラレオネの労使関係は3つの社会パートナー(使用者側、労働者側、政府)がそれぞれ補完的パートナーとして存在するとの認識の上になりたっている。そして経済的発展、社会的発展の基礎として認識されている。
 これらの法により、労使間に調和的関係が生まれ、職場における満足のいく関係を維持することが可能になっている。このことは近代社会における主な社会的・政治的目標となっている。
 使用者側の団体は使用者連盟と呼ばれる団体の傘下にある。
 使用者連盟は、傘下メンバーに基本的に必要なガイダンスを提供する。労使関係、労働慣習に関する問題について情報を提供し指導している。また労働法国際条約関係で新たな展開や変更があった場合、情報提供やアドバイスをする役割を持っている。トップの議長は元政府の労働長官である。
 政府は労使間の安定した労働条件の維持のために、なだめ役として既存の労働法の実施、最低限の保護に関して基本的な枠組みを提供している。
 現状の労働情勢は比較的平和である。
 3つの社会的パートナーが相互に尊敬しあい、オープンで誠実なコミュニケーションのもとに、お互いの権利と義務の認識を確認している。
 また、人種、肌の色、信条や宗教、国籍にかかわらず、公平で公正な扱いを受ける権利・調和の取れた労使関係のための前提条件としての社会的対話を持つ権利が保障されている。
 この社会的対話には交渉、相談が含まれているが、対話が効果的に行われているため国として受身的でなかった。社会的対話のプロセスの中に、政府が直接的にプレーヤーとして入るわけではないが、それでも受身的ではなかった。政府はこれまで、使用者側と労働者側の組織が自治を行ない、自由に運営できるよう、仕返しを恐れることなく運営できるよう、安定した政治的社会的状況を作りだすべく、いろいろな政策をとってきた。政府としては、例えば87号及び98号条約の規定を効果的に導入する必要があると認識して、労働者側が自由に活動できる環境を作りだすことを行ってきた。
 現在の労働状況は比較的安定しているが、政府と労働者間、使用者と労働者間に、意見の相違がなかったというわけではない。
 意見の相違問題が生じた場合、解決を図るべき対話が要求され、政府がコントロールすることにより、迅速に解決すべく努力がなされたことを意味している。
 問題としては、現在失業率が非常に高くなっている。特に人口のかなりの部分を占める若年層の間に顕著に見られる。
 理由としては、まず第一に、社会的インフラの不足があげられる。エネルギー、道路、水道等の社会システムが経済的活動をさらに加速しているが、現在不足している。
 第二は雇用を拡大すべく存在している産業が実際に無力だという問題がある。
 失業問題は政府にとっても最大の懸念事項であり、労働組合にとっても同様であり、国の発展と保障に否定的な影響を与えている。政府はこれらの国家に対して影響を与える問題を討議する2つの団体を設立した。一つが労働問題を取り扱う共同諮問委員会(ICC)。もう一つは政府が議会に対し、予算を提出するための準備機関の設立である。この2つの組織の設立により、政府機関として、人々の持つ不安、疑惑、懸念事項を軽減することになる。