2011年 セネガルの労働事情

2011年11月11日 講演録

セネガル全国労働組合同盟(CNTS)
Ms. ンデイエ・ファリー・スアレ

 

1. 労働事情(全般)

 世界の金融経済危機の影響で、多くの企業が操業を停止した。多くの労働者が職を失い、インフォーマルセクターの占める割合がますます多くなっている。また、この危機は生活必需品の価格を上昇させ、低賃金で働いている労働者に大きな負担として圧し掛かっている。
 このような情勢の中、セネガル政府はいくつかのプログラムを立ち上げた。例えば、アネッシュと呼ばれる若年者向けの職業安定所や若者の就職振興全国基金などがある。施設を設立するなど改善に向けた試みが行なわれているものの、効果は一向にあらわれてこない。

2. 労働組合が現在直面している課題

 第1に、多くの企業が設立されているが、そこで働く人たちは、大多数が不安定な立場で雇用を強いられており、社会保障等は全く受けられていない状況にある。
 第2に、現在、セネガルの労働運動は非常に分散された形で行なわれているため、最近弱体化してきている状況にある。それは政府が組合活動に干渉しているということが大きな原因と考えられている。国内労働者は50万人に満たないのにもかかわらず、現在、20近いナショナルセンターがある。したがって、CNTSの今後の課題の1つは、セネガルの労働運動を再統一させることにある。
 第3に、外国への出稼ぎ労働者の問題である。セネガルからは世界中に多くの出稼ぎ労働者が出ているが、彼らは働く先の国で非常につらい目に遭っている。労働条件が悪く、給料も本来決められたものよりはるかに低い。不法労働を強いられていたり、しばしば警察ともめごとを起こしている。

3. 課題解決に向けた取り組み

 CNTSでは、インフォーマルセクターの組織化、女性労働者が職場における意思決定機関に参画を進める運動、そして若者の組合加入に力を入れている。労働者の研修・教育に力を入れて、組合員が経済、社会、法律等の様々な分野における知識を身につけて、参画できるように支援している。
 また、海外のパートナーから支援を受けて研修を実施している。例えば、スペインからはCCOO、UGT、イタリアからはCISL、CGIL。フランスからはCFGT、ベルギーからはCGSLBといった労働組合の支援を得て研修を実施した。それによって若者や女性に向け、さらには、従業員代表等に向けての研修を実践することができました。同プログラムの中で、インフォーマルセクターで働く労働者への支援も行ない、労働組合への加入を推進している。
 CNTSは同じ職種間での交流が非常に盛んで、2011年のメーデーには労働運動の再統一をスローガンに掲げた。また、女性や若者の全国委員会も設立した。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 CNTSは、政府と互いを尊重しながらよい関係を保っている。組合が推薦する党が選挙で第1党になったことから、国との話し合いにおいて、私たちの仲間が国側と話し合いを続けている。政府とのパートナーシップも良好で、国の経済社会問題についての話し合いの場に参加している。

5. 多国籍企業の進出状況と労使紛争

 水産業では、2006年にセネガルと欧州連合との間で結ばれた水産協定以外、調印できないという状況となっている。例えば、AMERGER社やSENEVISA社がある。
 通信分野では、SONATAL、SENTEL、SUDATELという3つの通信社の各株の35%を国が取得する意思を表明しているため、大きな問題になっている。また、SONATALに対しては政府が海外からの通話に税金をかけようとしている。