2010年 ニジェールの労働事情

2010年2月19日 講演録

ニジェール労働組合(USTN)
ヤクーバ シタ

教職員組合 書記長

 

1. 労働情勢(全般)

 ニジェールの雇用状況は、人口1,200万人で給与所得労働者数が8万8千人である。そのうち3万4千人が公務員で、5万4千人が民間企業の労働者である。その他の労働者は、農業や伝統的なインフォーマル経済に従事しており、潜在的には400万人以上とみられている。
 2010年の時点で、学校卒業資格を持つ若年失業者数は7万5千人である。若者の失業を吸収する措置がとられなければ、彼らは、やがて社会が抱える爆弾となるだろう。これらの若者に希望を与えるために、真の雇用政策を用意する必要がある。
 労働組合運動は7つのナショナルセンターで構成されており、加盟組合数は合計161組合、USTNには41組合が加盟している。

2. 労働組合が現在直面している課題

 組合の細分化傾向は組合団体への支持を大幅に減らし、運動全体を弱体化させた。問題は労働組合を作る動機にある。とりわけ近年では、労働者を助けるためというよりも、他の目的で労働者を利用するために組合を作るようなケースがみられる。
 自分達のことしか考えない小規模の組合が次々と出来て、それらの組合が手をつないでナショナルセンターを作っていることに問題がある。

3. 課題解決に向けた取り組み

 USTNは、その基盤の拡大と行動能力の強化を目指して、新組合員のために、インフォーマル経済の労働者に門戸を開くとともに、若者の雇用へのアクセスの条件を創り出すことに貢献する以外に方法はないと考えている。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 USTNは、ニジェール共和国の1つの制度である経済社会文化会議(CESOC)、全国労使対話会議(CNDS)、全国労働会議(CNT)を含め、全部の労使対話機関に代表を送っている。
 政治的危機について、タンジャ・ママド大統領は2009年12月に切れる自分の任期を、国民のコンセンサスを得ないまま延長、憲法裁判所も国会も解散してしまった。それに対し、政党と組合組織は協力して国民戦線を結成し対抗している。このような政治的混乱の中で、財政的な機関は全て活動を停止し、クーデターが勃発した。この衝突で死者も出ており、大統領は逮捕された。ニジェールにまた民主主義が復活することを願っている。