2012年 ギニアの労働事情

2012年9月28日 講演録

ギニア労働組合(USTG))
アマドゥ ディアロ(Mr.Amadou DIALLO)

ギニア労働組合(USTG)青年・雇用対策部長

 

1. 当該国の労働情勢(全般)

 ギニアは西アフリカに位置し、面積は24万5857平方キロメートル、4ヵ所の自然保護区がある。西は大西洋、北西はギニア・ビサウ、北はセネガル、北東はマリ、東はコートジボワール、南はリベリア、南西はシエラレオネに囲まれている。
 1958年10月2日に独立し、1959年にILOに参加して以来、ほぼすべての条約を批准している。
 セク・トゥーレ大統領による第一共和制の時代、学校を卒業した者は自動的に全員公務員として国に採用されていた。この時代はほぼ全企業を国が経営していた。
 第一共和制から第二共和制に移行した1984年、新政府は世界銀行およびIMF(ブレトンウッズ体制)の要請を受入れ、国有企業をすべて民営化した。経済が優先され社会的な問題は無視され、労働者の大半はほんのわずかな退職金を受け取り失業者となった。
 さまざまな業種の事業が展開されたが、新しい状況への準備ができていなかった公務員がインフォーマル部門に流れ、失業率は徐々に上昇した。
 企業が5年以上の社会経験を持つ、フランス語と英語に堪能なバイリンガルの人材のみを採用するという基準を設定したため、大学や専門学校の卒業生は最初の就職を見つけることが困難になった。また、企業の長は、労働に関する国内法を無視して労働者を解雇した。
 雇用の創出手段が少ないものの、それでもやはり国が一番大きな雇用主であることに変わりはない。退職年齢を大幅に過ぎた者まで雇用し続けているので従業員の高齢化が起きている。経済危機が頻繁に起き、その安全性への懸念から巨大な国際投資はほとんどない。

2. 労働組合が現在直面している課題

  1. 労働組合に関する基本的な研修を受けていない労働組合が多く存在する。また、政府側の立場に立って、他の労働組合の活動を妨害する労働組合が存在する。
  2. 組合員の会費の支払い率が低い。
  3. 書記長が急死したことにより、組織力が欠如し、機能不全を起こしている。
  4. 組織のあらゆるレベルで、将来のリーダーになる人材の育成ができていない。
  5. 書記長存命中から現在まで、政治的危機や金融情勢を原因に、大会を開催することが困難な状況が続き、労働組合と企業との交渉は停止した状態である。
  6. ほとんどの企業において交渉と対話が停止している。

3. その課題解決に向け、どのように取り組もうとしているのか

  1. 労働組合リーダーの意識向上プログラム作成。
  2. 調整会議や会合の定期的開催。
  3. 労働組合の組織化に向けた支援を得るため、企業へのロビー活動。
  4. パートナーからの支援金および会費の徴収による資金の確保。
  5. 資金の適正な使用によって資金の安全化。
  6. 労働組合の定款および規則に則り事務所を改修し、組織を再編し、活性化を追求。
  7. 社会、そして企業の発展プロセスに容易に関与できるよう、労働組合指導者と労働者の理解を高めるため講習会の開催(研究サークル、セミナーなど)。

4. あなたのナショナルセンターと政府との関係について説明してください

 政府と労働組合の会合にUSTGは必ず参加しており、関係が悪いとは言えない。しかし、対話は常に足踏み状態で、著しい進展が見られない。過去同様、ストライキが起きる可能性がある。
 財政支援(補助金)および物品の深刻な欠如および行政の組合業務へのネガティブな干渉が特徴的である。

5. あなたの国の多国籍企業の進出状況について、また多国籍企業における労使紛争があればその内容についてお知らせください

 ルサール(RUSAL:フリアのボーキサイト採掘会社)で争議があり、ギニア政府、労働者、ロシアのパートナー間の無理解状態が長く続いたが、さいわい最近妥協に至った。これ以外の他の労働争議はすべて和解あるいはギニア労働法に則り労働監督局が仲裁に入った。なおこの労働法は残念ながら非常に古く(1988年1月付け)、2011年11月に改正され、今後採択および公布される予定である。