2003年 ガボンの労働事情

2003年11月12日 講演録

ガボン自由労働組合連盟(CGSL)
ムサヴー エチエンヌ

ガボン自由労働組合同盟事 務局長

 

国内の状況

 まず、つい最近までの30年間、ガボンは一党独裁政治でありました。これが、最近になり、民主化されました。民主化により労働運動は自由に行えるようになりました。しかし、労働分野以外の分野にも影響を与えており、特に、ここ10年経済活動を停滞させています。
 ガボンの主要産業の一つに、石油開発があります。その他には、マンガンあるいはウランの産出が挙げられます。しかし、ここ数年来、石油開発産業は、原油価格の急激な低下により大きな影響を受けており、ガボン全体の経済活動を停滞させています。また国家予算も不足しており、国民生活にさまざまな影響をもたらしております。
 もう一つ問題となっているのが、民営化の問題です。これまでガボンの大企業は、ほとんどが半官半民の企業体でした。それゆえ、その企業体の経営陣はすべて国から任命された人たちでした。ところが、この経営陣は、必ずしもその分野の専門家、あるいは経営にふさわしい人が任命されていたわけではありません。つまり、専門的な能力よりも政治的な状況によって、その経営陣が任命されることがよくあったのです。
 そのため、最近ようやく、IMFや世界銀行から民営化の指令が出され、こうした半官半民の企業体がすべて民営化されました。
 また、経済状況が悪くなってきているため、雇用も非常に困難な状況を迎えています。つまり、安定した雇用を得ることができなくなっているのです。そこで、日本の企業などにもよく見られますようにパートタイム労働者を雇ったり、あるいは期限つきの派遣社員を雇ったりしています。私たちとしては正規従業員、つまり契約規定のない労働者をできるだけ増やそうと考えております。
 そうした雇用や賃金の悪化について、私たちが目標としているのは、できるだけ多くの職場の組合員に対して職業教育を施し、今進められている民営化あるいはグローバリゼーションへの対応を進めることです。また、私どもの組織が力を入れている目的は、全国の企業で働く労働者に対して、できるだけの教育あるいは啓発運動を進めることです。政府の掲げる目的とは、現在半官半民で活動している企業体をできるだけ多く民営化し、それを促進することです。
 つまり、ガボンの経済状況は1999年以来、非常に悪化しており、そうした状況に対して私どもの組織は、完全雇用の実現、新しい企業のあり方に即した新しい賃金体系を定めることを課題として努力しています。私どもは労働者の生活水準を向上させ、また労働条件を改善するため活動しているわけです。
 次に、社会状況についてお話しします。我が国には、「社会保障金庫」というものがあり、この社会保障金庫を再構築することが、今、検討されております。具体的にいうと、この社会保障金庫を労働者の手にゆだね、労働組合による運営活動を進めるということです。政府も、3年前からILOに社会保障金庫の再構築を要請し、さまざまな検討がILOとの共同のもとで進められています。