1999年 ガボンの労働事情

1999年7月14日 講演録

ジャンマルク・オンド・ベカレ
ガボン自由労働組合同盟(CGSL) 副書記長

 

国の状況

 現在、ガボンは、非常に大きな経済的あるいは財政的な危機に陥っており、こうした国の状況を皆様にお話しできることを幸いに思います。ガボンという国は、非常に豊かな資源を持っている国です。しかし、1985年ごろから経済があまりうまくいかなくなりました。その理由には外的な要因、あるいは内的な要因がさまざまに考えられるわけですが、特に、自然資源及び人的資源の適切な運用がなされていないことによると思います。また、ドルの価値が下がっていることにも起因していると考えられますが、こうした状況の中で、経済のバランスをとることが非常に大事なこととなってきています。
 次に、ガボンの国について、ごく簡単に話しますが、非常に小さな国で、人口100万人、面積約27万平方キロメートル、労働人口が37万5,900人、首都はリーブルヴィル、そして公用語はフランス語です。人口密度は1平方キロ当たり4人、出生率36%、死亡率17%、平均寿命50歳、失業率20%以上。主な資源としては、原油、木材、ウラン、マンガンなどです。

CGSLの沿革

 組合の労働運動のことについてですが、まず、1990年の国民議会のことから紹介します。1990年に、ガボンは複数政党主義を導入しました。単独政党主義の時代を経て複数政党主義に変わったことにより、多くのナショナルセンター、労働組合も設立されました。
 私どものナショナルセンターCGSLは、1991年8月10日に設立され、ストライキや交渉などの行動綱領も幾つか採択しました。そうした行動を通じて私たちの労働権が確立されたわけですが、特に社会保障金庫や政府のさまざまな審議会、雇用庁に代表メンバーを送っています。また、住宅基金や社会経済評議会にも入っています。
 ナショナルセンターには、12の連盟が加盟しており、組合員数は1万6,000名、そのうち、女性は5,000名です。また、ガボンは9つの地方県から成っているため、地方組合として9つの組織が加盟しています。
 国際関係については、ICFTUのアフリカ地域会議に加盟しており、主要メンバーでもあります。また、フランスのFO(労働者の力)、及びCFDTとも非常に親密な関係を持っています。
 労働運動の活動については、労働権の確立に向けて闘争を展開してきていますが、まず、この労働法の改定に反対しています。協議することなく労働法を改定しようとしているためです。そして、構造調整計画にかかわるさまざまな施策やコペンハーグ会議について政府がこれを破棄しようとしていることにも反対しています。
 また、ガボンという国は、以前はほとんど完全雇用が実現されていたほどの、非常に豊かな鉱物資源を保有しているにもかかわらず、今は多くの失業者を出す経済的な危機に陥っており、こうした状況に対しても闘争を展開しています。

失業間題

 現在は、特に、若者の失業率が高く、30%以上となっており、外国人労働者の労働市場への流入や近代産業への不適合ということから、さらに若者の間で失業率が高まってきています。詳細は省きますが、ただ、非常に豊かな国でありながら、経済的には大きな困難を抱えている国であるということです。
  失業に関して、特徴的な点があるので、それを話しておきます。この失業というのは、職業教育と実際との不適合に大きな原因があります。また、学校教育の内容と、全国的な能力開発の遅れにも起因しています。特に、第1次産業、及びサービス産業についての職業教育というのが非常に遅れています。
 そして、非常に活発な経済活動を繰り広げているインフォーマルセクターにおいて、外国人労働者の流入が激しいこと。このインフォーマルセクターの労働人口は75%が外国人によって占められています。
 また、失業率、特に新卒者、高等教育を受けた者の失業率が非常に進んでいます。高卒のレベルでの失業率は30%、そして大卒のレベルで22%となっています。私たちの国内では、経済よりも政治のことがよく話されます。100万人の人口に対して、議員の数が下院120名、上院99名です。そして、国家の歳入がほとんどすべて議員の収入になってしまい、労働者のために使われているお金というものがほとんどありません。そうしたことにも問題があります。
 最低賃金は日本円に直すと、月額1万2,800円です。