2000年 ブルキナファソの労働事情

2000年7月5日 講演録

ユスフ・ウエドラオゴ
ブルキナファソ自由労働組合全国組織バンフォラ市事務局長

 

構造調整の社会的な影響

 私は特に、ブルキナファソのいろいろなところで進められている構造調整ということに絡めて、労働問題をお話します。ここ10 年ほどの労働事情で特徴づけられるのは、構造調整の影響です。国の政府は、構造調整を進めようとしています。ブルキナファソの労働界には、まずナショナルセンターが7 つあり、それから10 個以上の独立組合、中立組織があります。構造調整というのは利点もあれば欠点もありますが、利点としては国家にとって非常な利益が上がるといえます。政府当局にとっては、構造調整を図ることは利益になることです。と言うのは、世界銀行やIMF が構造調整を受け入れることによって支援活動をする、援助をするという条件を持っていますから、さまざまなところに投資が行き渡ることになります。しかし、マクロ経済的な観点からすると、これは不平等を生むことになります。ほかにもいろいろありますが。
 社会的観点から不都合な点については、ある調査で、構造調整を受け入れ促進することで、公営企業、国営産業で多くの失業者を生んだことがわかっています。こうした構造調整を適用することによって、政府当局は、民間産業にイニシアティブを取らせての投資を図ろうとします。ところがこの民間部門は残念なことに、そうした経済的なイニシアティブを取るほどの能力、この経済を引っ張っていく力はありません。当然この構造調整を図っていくとその結果として出てくるのは、国営、公営企業の民営化ということになります。それによって47 万2,000 人の雇用が失われてしまいました。これは1997 年までの資料でこれだけの人数が失業しています。公務員の採用があったのはわずかに3 つの地方だけで、公務員の募集があった省庁は、大蔵省、教育省、厚生省の3 つだけでした。職を求めてきた人のうち、採用率は、1989 年で5.09 %、1996 年では2.14 %でした。1997 年の資料で100 人の労働人口のうち70 人が職を求めている人、すなわち失業者でした。その内の29.8 %は構造調整によって解雇された人たちです。
 雇用問題についてはいろいろな無償援助によって、雇用を何とか維持しているところもあります。さらに労働時間の短縮、さまざまな給付の改訂、変更、さらに賃金そのものを減らすこと、こうしたことで雇用を維持しようとしているところもあります。民営化された企業のほとんどはいろいろな問題に直面しています。最も頻繁に見られるのが、民営化された企業の問題が労働者、非雇用者、あるいは労働組合関係者にしわ寄せされていくことです。先の見通しが立たないために、どうしても間違った方向に行って失業を生んでしまうという状況になっています。

構造調整と民営化の一例

 砂糖と乳製品に新しい企業ができましたので、そのことについてお話しておきます。構造調整から民営化、それが企業の中でどのように行われていったかの具体例を1 つあげたいと思います。1999 年7 月、1 年間を経てこの企業が民営化されました。平和的な労働者の運動がありました。労働組合の側からは今後の企業運営の方針はどういうものであるか5を確認しようとしました。経営者側が出してきた回答は、この労働運動の指導者を全員解雇することでした。この運動の指導に当たっていたのは8 人の組合関係者でしたが、全員が解雇されました。私もその内の1 人でした。この件に関しては、これ以上詳しいことには触れません。労働省はこの労働運動の指導者を再雇用するようにと言いました。法的にも解雇は不当であると判断したのです。しかし、経営者側は労働省の決断にもかかわらず、この件を裁判に持ち込みました。
 結論として、現在行われている民営化のやり方では貧困や悲劇を拡大することにほかなりません。既に私たちの国は十分にこうした悲劇を知っています。特に我々の国のような途上国においてはこうしたことが起きやすくなっています。日本の経験がおそらく私たちの役に立つのではないかと思います。日本の状況を知ることで、国際的な連帯をますます強化していきたいと思います。そうしたことで労働問題、対立を解決していきたいと思います。我々が特にこれから導入しなければいけないと思っていることは労使協議制度です。今まで申し上げたことは私たちの国が抱えているすべての問題ということではなく、ごく一部です。私たちとしては対話をぜひ進めていきたいと思っています。関心を引く、新しい制度を勉強し、非常に実りが多い将来になることを期待します。