2011年 ベナンの労働事情

2011年11月11日 講演録

ベナン中央自治労働組合(CSA)
Mr. アブデル・クドゥス・サラミ

 

1. 労働事情(全般)

 現在、ベナンでは構造改革という名の下に、政府が公務員の新規採用を控える状況にある。この構造改革は、長年続いたベナンの政治、経済、社会の問題に起因しているが、労働者に大きなしわ寄せとなって表れている。その結果、現在、労働者は民間企業に就職するようになっている。
 また、インフォーマル経済がベナンでも大きな割合を占めている。現在の失業率は、40%~48%という数字になっている。大学を出れば、本来良い職業に就けるはずの人たちでも、自らの教育レベルに合わない仕事につかざるを得ないという状況にある。

2. 労働組合が現在直面している課題

 まず失業問題、そして労働組合の自由が政府によって脅かされているという問題がある。例えば、公務員の場合、公務員本人が現在の与党を支持していないと、官公庁の中で昇進することができないという状況にある。また、職場における安全衛生管理の問題もある。

3. 課題解決に向けた取り組み

 CSAは、法律を制定する権限はない。したがって、私たちにできることは、経済や政治についての問題を分析すること、その分析から様々な提案を行なうこと、政府が間違った政策を示している場合はそれを正すことであると考えている。CSAは企業や官公庁で働く労働者を対象に様々な研修や教育を行なって、政府の政策を正しく変えることができるという意識を持たせる活動をしている。そのためには、様々なメディアを使い、また、様々な会議を開いて、労働者を啓蒙する活動を行なっている。
 ベナンではストライキが頻繁にあるが、ストライキがなるべく少なくなるように、政府は私たちに耳を傾けてくれるようになっている。最近、政府はCSAから人を政府に送り込み、労働組合の意見を反映するという方針を出した。CSAも国の諮問委員会委員になっている。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 基本的に政府と労働組合の関係は、常に緊張関係にある。労働組合が何もしなければ、政府が労働者のための施策を実行するということは全くなく、常に労働組合自身が政府に対して声を上げないと何も動かない。2年前、CSA役員が政府の中枢に入って、2カ月に1度会議を開く機会を得ることができるようになった。しかし、CSAと政府の間で話がまとまったとしても、政府が決定事項を実行するまでに至っていないのが現実である。
 一方、政府とCSAの対話により、財務省職員の賃金が25%上がったという例もある。他のアフリカ仏語圏諸国に比べると、ベナンの平均所得は非常に低く、この25%の賃上げが財務省にとどまらず、他の省庁や民間企業にまで波及して、将来的には50%、さらには75%の賃上げが実現されることを期待している。