2010年 ベナンの労働事情

2010年2月19日 講演録

ベナン全国労働組合評議会(UNSTB)
トゥーサン シャビ アカポ

デルマスベナン労働組合 書記長

 

1. 労働情勢(全般)

 雇用情勢は不安定であり、失業が拡大している。結果として、インフォーマル経済が急速に拡大しており、労働人口の大部分(95%)がこの分野に属している。
 民間部門は未だ萌芽段階であり、未熟練労働者をはじめとする大量の求職者を吸収するまでに至っていない。このような状況に対して、国は正規雇用を犠牲にして、臨時雇用を促進する政策をとっている。

2. 労働組合が現在直面している課題

 UNSTBは、その代表制に関する問題に直面している。つまり、数ある労働組合の中で、どの組合がもっとも代表的な組合なのかという指名を得ることについて、たいへんな問題が生じている。職場での代表選挙は、その構想・組織も不適切であり、法的基盤も一切なく、人為的で不明瞭なものとなっており、不満が噴出している。
 また、不当労働行為、労働運動の複数主義が問題となっている。こうした問題のために、労働組合の能力と活力が弱められている。
 そして、社会保障の脆弱さの是正、最低賃金をどのようにして引き上げるかという課題がある。

3. 課題解決に向けた取り組み

  1. 代表選挙を規定する法律を法的基盤に基づいて見直すための陳情やロビー活動を活発に行う。
  2. ナショナルセンターは、次の代表選挙が単位労組組合員の関心事項、自覚を通して行われるよう、労働教育を充実させている。
  3. 我々(UNSTB)を支持する有権者が投票許可を得るための闘いが2009年11月の前回の会議以来開始されている。

4. ナショナルセンターと政府との関係

 UNSTBと政府は双方の限界を尊重し、ベナンの法令を遵守しながら、総体的に良好な関係を保っているが、次の点で意見が異なっている。

  1. 公共部門の職員に対する不公平な処遇。(同じ資格を持つ正規職員と臨時職員の間に給与の格差があること)
  2. 上記公共部門の職員の要求に対して総合的な解決策を求めず、その場限りの対応に終始している。
  3. 法的基盤に基づかない労組の代表選挙に対しては異論が多く、不完全な制度となっている。
  4. 労働組合の弱体化を招き、無政府状態に導くような労働組合の複数体制の奨励。
  5. 社会保障の脆弱さ。(国民の95%が健康保険の恩恵を受けていない)

5. 多国籍企業の進出状況と労使紛争

 多国籍企業は存在しているが、繁栄を妨げるような税制に多くの企業が直面しており、国は企業の定着を促進するために努力している。
 多国籍企業内では、法令を無視した職員の雇用や解雇に関して深刻な対立がある。下請け、臨時雇用、労働組合組織の細分化、労使交渉の困難さ、労働組合権の無視が多国籍企業内における対立の根本原因となっている。全産業保証最低賃金(SMIG)の無視も問題である。