2002年 ベナンの労働事情

2002年9月11日 講演録

ベナン全国労働組合評議会(UNSTB)
オーギュスタン ロデ

ベナン全国公立初等教育者労働組合 社会・法制関係中央執行委員

 

労働運動の歴史

 アフリカの他の多くの国々と同じようにベナンも長い間、先進国の植民地でした。植民地の期間、天然資源および人的資源はすべて宗主国のためにしか使われていませんでした。国民が自主的に振舞える権利を持っていた分野は、最低の生活に欠かせない物、生活の最低限の条件に関する幾つかの分野だけでした。行政部門、商業、鉄道などの分野では、労働者は、北の先進国の不公正な搾取によって十分な給与を支払われることもなく、困難に立ち向かっていました。
 そして、フランスのナショナルセンターであるCGT(フランス労働総同盟)、CFTC(キリスト教労働総同盟)、CGT-FO(労働者の力・総同盟)の協力によって労働組合が組織されました。徐々に我が国で労働組合が生まれてきましたが、結局フランスの政府を利するためにしか利用されませんでした。1884年3月31日に公布されたアフリカの法を適用して、アフリカ植民地における労働者の権利を制限、規制するものでした。その法律によって労働者の権利が認識されることになりましたが、それまでの労働運動は地下にもぐった非合法の運動でした。
 1945年から1960年までの労働運動については、1945年にダホメ産業及び商業労働者組合(SECID)が設立され、フランスのCGTに加盟していました。1947年に3つの組合が生まれました。SFACGD(ダホメ一般公務員組合、SAAD(ダホメ行政及びそれ)に準ずる労働者の組合、教職員組合です。)1948年には鉄道関連の管理者及び公務員の組合ができました。これはCGT-FOに加盟しました。こうして生まれたさまざまな労働組合組織により労働条件の改善のための闘争が展開されました。
 そうした中で鉄道労働者によるストライキが、1947年10月10日から1948年3月19日まで5カ月以上もの長きにわたって行われました。1957年1月にコトヌーにおいて、アフリカの労働組合の統一の端とも言うべきUGTAN(ブラックアフリカ労働者総同盟)という組織がつくられました。書記長はギニアのセクトゥーレです。UGTANの地域組織としてダホメにUNSTD(ダホメ全国労働者会議)が組織されました。1960年9月にはベナンとして独立しました。その後UNSTB、UGTANの指導により大きなストライキが行なわれました。このストライキによって政府はストライキの規制を改める体制を設けることになりました。
 こうして徐々に労働組合の力が確立され、UNSTBでも徐々に影響力を確立してきました。特にこの時期、1960年から72年の政治的に不安定な状況がある種の政治家に利用され、クーデターなども起こりました。1972年から90年にかけての労働運動ですが、政府の女性の活動を強まってきました。この活動が政府では後に1972年11月30日に発表されることになる行動計画となったわけです。
 労働運動においても複数主義が導入され、その結果としてFUD(ダホメ労働者戦線)という組織がつくられました。その原因は、それまでの労働組合組織が十分に機能していなかったこと、またさまざまな情報が欠如していたこと、また労働者戦線あるいは労働組合の規約が破られていたことなどによります。
 こうした状況を踏まえて1974年9月25日に会議が召集され、それまでのナショナルセンターを実質的に解散すること、また新規に労働者委員会の設立し、新組織の設立結成大会の日付を確定することが決められました。1974年11月14日から17日にかけてUNSTBの結成大会が開かれました。これによって、UNSTBが1989年までベナンにおける唯一のナショナルセンターになったわけです。
 1990年から今日までの歴史です。ベルリンの壁が崩壊したことはすべての労働組合の活動に大きな影響を与えました。ベナンにもベルリンの壁の崩壊によって、経済の自由主義、政治及び開発発展、複数政党主義などが導入され、この状況はベナンの労働運動の多様化にもつながってきました。
 現在、ベナンには7つのナショナルセンターがつくられました。UNSTB、アソグバ・ニコデム書記長。CGTB(ベナン労働者総同盟)、トジノ・パスカル書記長。CSA(ベナン独立組合同盟、アティグ)ベー・ギオーム書記長。CSTB(ベナン労働者組合連合)、アズワ・ガストン書記長。COS(ベナン独立組合連盟)、グレレ・カカイ・ジョージ書記長。CSPIB(ベナン・インフォーマルセクター及び民間部門労働組合同盟)、ホシヌ・グラシエ書記長。CSUB(ベナン統一組合同盟)、アゴス・スールー・ジャン書記長。
 UNSTBは政府に対して政策提案、法案提案を行なっています。UNSTBのラワニ・アミドゥ書記長は、政府の経済社会審議会のメンバーにもなっています。社会政策について、現在政府に対してさまざまな要求をしています。特に1998年以来今年まで4年にわたって公務員の給与の支払いが遅延してきました。そのため、政府に対して1999年及び2000年度の2年分の給与を支払うための特別予算を組むように要求しています。また、最低賃金及び家族手当のアップを要求しています。今年の活動の目標として労働者教育を特に強化するつもりです。特に初等教育、レベル1及び2、3における労働者教育の強化です。またインフォーマルセクターの労働者の組織化にも努めています。