2003年 ジンバブエの労働事情

2003年10月1日 講演録

ジンバブエ労働組合会議(ZiCTU)
シプリアン チックイラ

ジンバブエ鉄合金労働組合 事務局長

 

国内の状況

 ジンバブエの政治状況は最悪の状況にあります。その状況とは次のようなものです。ストライキが禁止されています。そのため労働組合のナショナルセンターは、政府に政策変更を求めて全国的なストを行うことができません。ストライキ禁止は全国治安維持法で規定されております。この規定に違反しますと、労働組合の指導者は、個人的に危険な状況に陥ります。逮捕・拘禁される可能性もあります。この法の規定により政府は白紙の小切手をもらった、つまり、白紙委任状をもらっているということができます。
 デモ及び大衆集会も制限されています。デモを行うためには4日前に警察に申請し許可を得なければなりません。警察の考えで、そのデモ、あるいは大衆集会が治安上問題であるとみなされますと、申請は却下され、デモを実施することはできません。労働組合の会合への警察の介入が頻繁に起こっています。労働組合の会合に警察が踏み込み、労働組合の指導者を拘留するケースが繰り返されています。容疑をはっきりさせぬまま、あるいは告発をしないままで釈放されるのですが、釈。放前に拷問を受ける場合が少なくありませんZiCTUの力も預かり活動的な野党が誕生しました。その関係もありZiCTUと政府との関係が悪化しました。政府は、ZiCTUへの報復として分裂組合を結成し、それへの支援を強化しています。
 議会構造のおかげで何人かの労働組合出身者が国会議員となっています。残念ながら、それらの議員は野党に所属しています。残念ながら国会議員は野党に所属していると申しましたのは、労働組合出身の議員が野党に所属しているために、政府は労働組合を野党とみなしているからです。まとめとして申し上げますと、労働組合ナショナルセンターと政府の間の関係において、残っているものはほとんど何もないということです。
 次は、経済状況についてです。ジンバブエの経済状況を特徴づけているのは、非常に高いインフレで465%に達しています。失業率は60%以上です。ジンバブエの経済は成長していません。基本的な日用品は商店の棚に不足しており、闇市と呼んでいる歩道で買えるだけです。しかし、この闇市の価格は非常に高いものです。ジンバブエでは国内通貨も外貨も不足しています。企業は隣国や環境の良い国に移転し、資本の逃避が行われています。ジンバブエ政府は国際通貨基金(IMF)や国際的な援助提供国との関係を絶ったため、外国からの援助がストップしています。政府は国内からも外国からも借金しており、その量は風船のようにどんどん膨らんでいます。社会状況について申し上げます。ジンバブエ人の約80%が貧困ライン以下の生活をしております。失業率が高いので、犯罪の数が増加しています。ジンバブエ人は外国で経済難民となっています。しかし、お金を持って帰れない者も多く、そのため家族内の関係は大変ひずんできています。
 公共のガソリンステーションでガソリンが不足し、国民の交通が困難になってきています。エイズが広範に蔓延し、ジンバブエの平均寿命は約40歳に落ちてきています。
 ジンバブエの真実の姿を話しました。それに何ものも付け加えてはいません。しかし全部をお話ししたわけではありません。

ZiCTUの活動方針

 次に、ZiCTUの今年の主要な政策について申し上げます。何よりも組織化が重要で、ZiCTUは今年の組織化の目標として、全労働力人口の30%を目指しています。

ZiCTUの具体的な活動

 次に、この活動方針を実現するための具体的な活動について申し上げます。ZiCTUはその加盟組合が新しい組合員を勧誘するのを奨励するために、いろいろな報奨を出すことにしました。ZiCTUは幾つかの目標を設定しました。その目標に従って、加盟組合は組織化を実施することになっています。設定した目標を達成した活動家は、現金または現物支給でこの報奨を受け取ることができます。