2001年 ジンバブエの労働事情

2001年9月12日 講演録

ジンバブエ労働組合会議(ZiCTU)
ポールシバロ

鉄鋼労働者組合連盟委員長

 

国内の状況

 ZiCTUは政府と良好な関係ではありません。まだ成熟していない時期であるために、与党から攻撃を受けています。そして、政府与党は、ZiCTUが、することはすべて脅威であると感じてます。というのは、民主的な改革を行おうとしている野党を支持しているからです。そのほかにも理由はたくさんあります。ロバート・ガブリエル・ムガベ大統領の考えはこのようなものです。
 経済的に見ると、我が国は非常に鉱物資源に恵まれていますし、広大な土地、そして熟練労働者を擁しています。しかし、政府の統治能力が十分でないため、また政策が十分でないために、こうした環境にもかかわらず、資源、人材が十分に生かされていません。ジンバブエには「経済」という言葉がありません。まだ経済について議論を交わすというような状況ではありません。このことがZiCTUの生存に大きな障害になっています。
 社会的な状況も不安定です。これは失業率の増大によるものです。人口の25%のみしか雇用されていません。人口の70%は貧困層です。インフレ率は70%です。例えば、家族6人が日本円にして月3万6,000円、ジンバブエ通貨では8万ジンバブエドルで生活をしています。一番低い給与の労働者は、月4,000円です。不況プラス貧困、そしてエイズの蔓延などにより、25%はエイズ・HIVポジティブの人たちです。これは非常にゆゆしい問題です。エイズに感染していることにより一家の働き手を失っているからです。また、貧困の問題が大きくとりあげられています。

ZiCTUの活動方針

 現在、支部の大きな機構改革を行っています。また、傘下の組合でもこうした機構改革が行われています。38の加盟組合がありますが、この組合の数を6つに再編成していく計画です。
 そして、そのメンバーに対して、労働問題の教育をしています。雇用労働者の25%が組織されており、75%が解雇され、職を失っています。組織されていない75%の人たちに職を与え、組織化するのが直面している大きな問題です。
 また、ロビー活動をし、政府が社会的なパートナーになるような働きかけをしています。社会的パートナーとは、政労使の三者間のことです。例えば、最低賃金の設定、これは国民の生活に大きな影響を与える運動です。また、国会議員に対してもロビー活動を行っており、労働法制の改正を要求しています。
 これらのことを実現するためのキャンペーンは、次のことをしています。元労働組合の役員、あるいは組合員であった国会議員との労働フォーラムを持っています。労働法制をよりよいものにする為に、助けになってもらうためです。現在のところ、労働法制は労働者にとってやさしいものではありません。労働者の権利は十分保障されていません。具体的な活動は、パンフレットの発行、組合員の教育等を行っています。また、私どもの組織は、財政難に直面しているので、JILAFなどのご支援も得て、うまくマネージメントができるようにと努めています。