2000年 ジンバブエの労働事情

2000年9月27日 講演録

ジャフェット・モヨ
全国エンジニアリング労働組合(金属部門)

 

政治・経済・社会問題

 政治の状況ですが、まだまだジンバブエにおいては民主的な空間といいますか、民主的な行動ができるような環境が十分ではありません。それを得るための闘争がまだ続いています。今では、労働団体としては、与党ではなくて野党を支持する立場に変わっています。
 経済も悪い状態にあります。企業の多くが倒産、閉鎖を強いられ、人員削減が行われていることで労働日数が増えたり、1 日のシフト数が増えたりという状況もあります。失業率は65 %まで上昇しています。国には外貨がほとんどありません。石油を買うといった余裕もありません。貧困率も上昇しています。インフレ率も不安定な状況をたどっています。エコノミストなどに言わせれば、まず、ジンバブエ政府が行っている土地政策、農地接収政策、それから隣国の旧コンゴ民主共和国においての内戦、そして法を無視した形での行政といったことが、こういった悪い状態を生み出してきたと言っています。
 隣国での内戦、コンゴ民主共和国においての闘争に関しては、ジンバブエ政府が何十億ドルといったお金を使って兵器、武器を供給することを続けました。また、白人が所有する農地を、黒人の旧兵士に分配するということですが、これもやめるように言われているにもかかわらず、政府は全くそれを無視して移住を認めている状況にあります。
 社会的な問題としては、ほかのアフリカ諸国と同じく、AIDS の問題があります。

ナショナルセンターの活動

 まず、最低賃金改善のための活動をしています。私どもが求めている最低賃金額は、月給8,400 ジンバブエドル(約161.54US ドル)です。現在、大半のジンバブエの労働者は、5,000 ジンバブエドル(約96.51US ドル)以下しか月給としてもらっていません。また、すべての労働者が、私どもの求めている月給8,400 ジンバブエドルの最低賃金で暮らしていけるように、物価、それから生計費においての調整が必要だと私どもは考えています。三者構成委員会がありまして、そこに私どもも参加するわけですが、こういった委員会で半年ごとに賃金の見直しや検討をするべきだと私どもは考えています。それから、私どもが求めているのは、賃金は物価の上昇、変動に応じた形で変わるべきであり、経済指標を取り入れた賃金設定を求めています。
 次に、今お話しした目標を実現するための具体的な活動です。1 点目としては、賃金や物価などについて十分な議論ができるような、効果的な三者構成組織をつくるよう要求するという点です。今のところ、そういった三者構成会議は合意に基づいてではなくて、勧告があれば開催されるという状況になっています。この三者構成主義というものを政府が認めない、尊重しないということであれば、私ども労働団体としては大規模な行動に出ることも考えています。今のところ、既存の三者構成委員会のメンバーは政府が任命しています。それにより、汚職のもとになるということを私どもは懸念していますし、野党でも、?14そのような人選は変えるべきだと言っています。いわゆる行政とは独立した形での三者構成委員会をつくるべきだというのが、私どもの主張です。
 もう一つ、運動において重要な点は、私どもが組合として、労働団体としての力を強化していくということです。労働組合の指導者たちが総選挙に参加をして、選出された人たちが議会の議員になってしまうと、どうしても労働運動の中に穴が開いてしまう、空白が生じてしまうので、組合と、組合員の力をつけていくということが課題になっています。