2002年 ザンビアの労働事情

2002年6月19日 講演録

ザンビア労働組合会議(ZCTU)
ヨタムムタヤチャロ

ザンビア電力・関連労働組合事務局長

 

国内の状況

 ザンビアは、南部アフリカの中でも、その中心地にあります。大変美しい国です。1964年に英国の植民地支配から解放されて、独立しました。独立を勝ち得て以来、初代大統領ケネス・カウンダ博士の指導のもと、ザンビア国民は1党支配による参加型民主主義を1972年以降、選択してきました。
 ザンビアは過去十数年に亘って基本的な政治・経済の改革を行ってきました。東ヨーロッパの共産主義が崩壊して以降、民主化や様々な経済改革などの外圧によってなし遂げられた変化です。1991年にチルバ大統領が複数政党制の民主主義を再導入してから、複数の政党による選挙が行われました。政治的には安定しています。しかし、昨年の12月の大統領選挙では、野党側から多くの不正行為があり、選挙の投票が操作されたと申し立てが行なわれ、さまざまな論争が起こりました。
 ザンビアは高い失業率、そして国民の70%にも及ぶ貧困によって、元労働組合のリーダーであったフレデリック・チルバのリーダーシップのもとでも、発展には限界がありました。フレデリック・チルバ氏は1990年にJILAFの招聘プログラムに参加しました。その翌年の91年9月の選挙で大統領に選出されました。
 チルバ大統領のもと、さまざまな労働関係あるいは産業の改革が行なわれ、労働者の権利の擁護が進展しました。チルバ政権は市場経済を導入し、大規模な自由化と民営化を進め、それが結果的にはザンビアの経済に悪影響を与えてきました。GDPの成長が大きく落ち込みました。それはカウンダ大統領時代の社会主義の政策をとっていた時代と好対照をなしています。
 さらに、現政権による経済政策が機能していないこともあり、国内あるいは外国からの投資が非常に落ち込み、加えるに2.9%という高い人口の伸び率、またHIV/エイズの蔓延によって、ザンビアの政治的、経済的、社会的な発展が阻まれています。
 また、就学児童の数が大きく落ち込んでいます。特に農村部においては顕著です。それは、貧困の増大により親たちが教育費を払えないことによる結果です。しかしながら、新大統領レビー・ムワナワサの公約が実行されれば、就学児童の数も増えることが期待されています。貧困の蔓延により、政府は貧困撲滅戦略白書というのを今準備しだしたところです。これが実行に移されることを期待しています。現状では労働者の賃金は家族を支えるに足るものではありません。

ZCTUの活動方針

 グローバリゼーションが浸透するに従って、労働運動もさまざまな困難に直面しています。ZCTUの活動方針は、主に労働者の権利の促進及び適切な労働条件の確保ということに集中しています。労働者の要求に対応するためには、グローバリゼーションに立ち向って、労働組合の機構を強化し、労働者の権利を守るために積極的に活動することであります。活動計画には次のようなものがあります。
 労働運動が労働者の要求にふさわしいものであるように心がけることです。使用者によっては、故意に労働条件を劣悪なものにし、年金を得られる正規雇用者を削減して臨時雇用を増やし、パートタイマーを好んで使っています。そうすることによって、雇用法の保護から労働者を除外しようとしております。
 ZCTUは、国内の労働組合が多国籍企業の労働組合と協力して行動することによって多国籍企業に圧力をかけることを目指しています。また、国際組織、例えばGUF(国際産業別組織)や、その他の地域的な労働組合組織、あるいは企業や業界団体に、ILOの基準を確保するように求めています。