2002年 スワジランドの労働事情

2002年6月19日 講演録

スワジランド労働組合連盟(SFTU)
マシツェラムランガ

スワジランド看護労働組合会長

 

国内の状況

 スワジランドは現在も非常に厳格な政令によって統治されています。そのうちの1つが1973年4月12日に布告された政令です。この政令は現在でも効力をもち、独立憲法を覆し、現在も我が国の最高法規として存続しています。この73年の布告は、基本的人権を侵害するもので、政党の禁止、結社の自由の禁止、表現の自由の禁止、自決権の禁止、さらに集会の禁止、そしてすべての行政、立法、司法の権力を王に与えています。
 1996年の政令第2号によって、憲法検討委員会が設立されました。この政令第2号は政令第1号の延長線で発布されています。政令第2号によって、憲法を起草する際に参考となる資料の提出を諸団体に認めるよう国民は要求しましたが、団体ではなく個人としての提出しか例えば労働組合が労働者の権利を憲法の内容に盛り込むよう関連文書を団体として、この委員会に提出することが、認められなくなってしまいました。団体ではなく個人としての提出しか認められていません。
 そして、また新たに論争を巻き起こす政令の法案が出ています。これは第3号になりますが、2002年国内の治安に関する法案です。この法案は、法律違反者、例えば常習的な犯罪者などに対して非常に厳しい処罰をするものです。これ以外にも、例えば労働組合が集会を開きたいとする場合に、前もってその集会の許可を得なければならないと定めるものです。
 また、労使関係法という法律があります。この法律の内容は大まかに言ってILO条約の内容に準拠しているものですが、例外として、早急に見直さなければならないセクションもあります。また、使用者の一部はこの法律を無視して、労働者を低賃金労働の人質のようにして扱っているということもあります。そして、故意に最低限の賃金の基準を無視しているというようなことがあります。また、労働者が穏やかにデモンストレーションをしたいと思った場合でも、道路に障害物が置かれます。それから、このデモを解散させるためであれば、治安維持部隊はいかなる措置も辞さないというようなことが公に言われています。
 また、差別もなくなっていません。これは公的部門、民間部門両方に言えることです。縁故主義、えこひいき、男女不平等という問題がまだ存在します。それから、児童労働も我が国ではまだ幾つかの農場、インフォーマルセクター、ガレージにおいて見られます。このような子供たちの一部は、近隣の国から不法入国した外国人であったりします。それからスワジの子供たちです。
 また、公的部門、民間部門でも見られることですが、工場の閉鎖、海外への移転、リストラクチャリング、こういったことがSFTUの組織化に大きな影響を与えています。現在スタッフの数も減らしているところですが、最近また民間部門、公的部門の双方から手紙が来て、スタッフの削減について交渉したいという申し入れがありました。
 次に経済です。スワジランドの経済は農業を基本としています。国家の歳入のおよそ50%は南部アフリカ関税協定から得ております。この協定はSACUと呼ばれています。また、スワジランドは、貿易の優遇措置に関する一般的なシステム、国際貿易協定から経済的な恩恵を受けています。この協定によって自国の製品を売ります。それから、最近ではまた別の法律、アフリカ成長の機会に関する法律(AGOA)によっても新たな経済的恩恵がもたらされています。
 しかしながら、外部の環境を見ると、スワジランドの経済に大きな影響を与える要因があります。例えば通貨価値の下落です。また、貧困の問題はアフリカ南部に深刻な影響を与えています。HIV/エイズの問題もあります。スワジランドは1日1ドル以下で生活をする幾つかの国の1つに入ります。

SFTUの活動方針

 2001~2002年の活動方針の中心を、労働者の社会的福祉の向上、人間らしい生活の実現、社会正義の実現、そして公平で持続可能な発展を目標にしました。もちろんネガティブなファクターとしては、グローバル化、民営化、アウトソーシング、そして貿易の自由化というものがあります。
 活動方針の具体的な計画を実現するためには、次のことを実現していかなければなりません。まずは目的を統一すること、一貫性を持たせること、連帯、地位の向上、能力の向上、スマートパートナーシップ、市民との協力、ネットワーキング、これらのことがらを国際的なレベルでも、地域のレベルにおいても、あるいはサブリージョナルなレベルにおいても行っていくことが必要です。さらに組織化の強化、平和的なデモを行うこと、平和を積極的に提唱していくこと、社会正義の進展、経済の成長、社会的な進歩、こういったことがらを組合員、コミュニティー、そして国全体で実現していきたいと考えています。
 これに加えて、SFTUは社会的対話の拡大も大きなキャンペーンにしております。モノローグ、要するに一方的に話されるのではなくて、対話をしていこうということです。