1999年 スワジランドの労働事情

1999年9月22日 講演録

シッピウェ ホロフェ
スワジランド公務員組合 副委員長

 

 スワジランドは1つの政治国家です。我々の憲法は1973年に、それに反するような出来事によって侵されました。そのときに政党が許されなくなり、国王が直接に統治するようになりました。
 スワジランド労働組合連盟(SFTU)は、15の加盟組織を持ち、約8万3,000人の組織人員を抱えています。3つの部門があります。1つは教育、2つ目は財政、そして3つ目が女性部(ジェンダー・デスク)です。ジェンダー・デスクの目的は、職場と社会における差別をなくすために闘う、女性の能力を育成する、平等を促進する。3番目は、女性の進歩と権利を阻む文化、伝統と闘うことです。

審議中の労使関係法

 次に、問題点ですが先ほど政党が許されなくなくなったと言いましたが、実質は1党支配です。1党支配のために、労働法上いろいろな問題が出てきています。まず、問題の第1点で1996年の労使関係法です。この法律からどのような影響をうけたかというと、この法律が労働者の権利を侵していました。つまり、スト権がなくなり、集会の自由も否定されました。そこで、私たちは全国的な職場放棄(ステイアウェイ)を実施しました。そしてまた、私たちはスワジランドからジュネーブのILO総会に対して、アピールをしました。その結果、1996年の労使関係法が再起草されました。
 そこで、そのILOの援助を受けて、私たちはこの法案を再起草しました。この法案は現在、1998年、労使関係法と呼ばれていますが、今現在も議会で審議中です。

労働者・人権を侵害する法律

 1973年に憲法が廃止されて、それにかわって1973年布告と呼ばれる、新しい法律(行政命令)が制定されました。この布告は、労働者の権利を侵害しています。例えば、私たちは自由に話すこと、表現することすら許されていませんし、言論の自由、集会の自由も阻害しています。1998年11月に別の法律が制定され、行政命令と呼ばれています。この法律は、首長と国王であるムスワチカに対して、強制労働に従事しない者を国外追放にする権限を与えています。私の国スワジランドでは、例えば国王の領地とか、首長の領地の草取りをしなければいけない。そこに行って草取りをしますが、それをしないと国外追放になります。
 この行政命令の一部を紹介します。この法令によって、これを遵守しなければならない命令、あるいは指令に違反したもの、従わない者は、罪を犯した者とみなし、有罪となった場合は、第1節に定めるとおりの罰則を科す。特に罰則の定めがない場合は、600エマーランゲニ以下の罰金、または6ヵ月以内の禁固、または両方が科される。ちなみに1エマーランゲニは5米ドルです。1973年の布告により、組合指導者たちは次のような問題に直面しています。自宅への警察による悪意ある襲撃、組合事務所への悪意ある襲撃、及び捜査令状なしでの組合の書類や文献の没収、警察による組合指導者の拘留、組合集会や抗議集会における警察による労働者の殴打、警察による組合の会合、会議への介入、また、私自身の警察による拘留とか殴打についても新聞の切り抜きを持っています。
 構造調整計画は、1999年11月に公務員に対して適用されることになっていますが、現在のところ、組合と政府の間で協議が行われています。この構造調整計画は既に準国営企業に適用されて、水道事業委員会、スワジランド酪農、郵便、電気、通信等の準国営企業は構造調整を受け、多くの従業員が失職しました。民間部門では大量の人員削減が行われて、労働者が職を失っています。そして、経営者はほとんどの仕事を外注化しています。例を上げると、例えばホテル業では、清掃と庭の手入れが外注になっています。それから、農業部門であるパルプ生産業では輸送が外注に、サトウキビ産業では、サトウキビの伐採、収穫が外注になっています。