2006年 南アフリカの労働事情

2006年7月5日 講演録

南アフリカ全国労働組合会議(NACTU)
Ms. プメラ ジェニファー ゼンジレ

 

 南アフリカ全国労働組合会議(NACTU)には21の加盟組合があり、それぞれ別の産業の組合からなっている。今後他の3つのナショナルセンターと2006年10月に合併する予定である。
 合併の理由は、政治的ではない組合を作ることが一つの目標であり、労働問題を追及していくナショナルセンターになるためである。
 NACTUの目的は組合員に対して、様々な研修の機会を与えるための資源を提供することである。この機会はソーシャルパートナーである労働省、エイズの治療組織(TAC),労働問題の斡旋、調停、仲裁を行う労働委員(CCMA)と共に行い加盟組合を支援している。
 次に主要な活動として、国際連帯の活動をコーディネートしている。加盟組合であるグローバルユニオンの行う事業への積極的参加の奨励と参加のための財政的・技術的資源の提供することである。
 財政的制約の中で最も重要な活動を行うことを考えている。
 2005年と2006年の女性デーは大変成功裡に終わった。国際的な兄弟組合や男女平等委員からゲストやスピーカーを招待した。2005年11月にはNACTUが女性組織の再活性化することを目的に女性フォーラムを開催した。
 労働安全衛生、HIVエイズに関する活動として、加盟組合のために、様々な平等プログラムを企画し、予防の教育活動をコーディネートしている。次に男女平等については、ジェンダーメインストリーミング(男女平等政策制度の導入)対策を行い、その活動をモニターする組織を設立した。男女平等委員会、女性の地位向上委員会、雇用平等法の成立活動等がある。
 様々な公的・民間機関の中に男女平等問題についての意識が高まり、国の統治システムの中で、女性は進歩しているが、失業、貧困、性差による暴力等の指標をみると、まだまだ多くの課題が残っている。
 政策が男女平等に関しては複数のオブザーバーが監視している。政治の中で女性の様々な代表としての占有率についても監視を受けている。
 男女平等問題に関する実務機関については、ILO、南アフリカ労働組合調整評議会、ICFTU-AFRO、ICFTUの男女平等推進部門、政府の一機関である男女平等委員会、法務省、労働省、南アフリカ女性対話等の組織と協力関係にある。
 政治問題については、政治制度は一般に開放されている。しかし比例代表制・選挙区並立制の導入が必要と考えられている。この制度を導入することにより選ばれた職員が政党だけに説明責任を持つのではなく、直接選挙人にも責任を持つ可能性がある。
 ここで話をしなければならないことがある。今月1976年6月16日の記念日を祝ったが、これは黒人学生が教育用語としてのアフリカーンスを使用することに抗議してデモを行った日である。当時のアパルトヘイト政策をとった政府はバンツー教育を導入していたが、黒人の国民によって受け入れられなかった。この1976年の若者たちのおかげで我が国は民主国家となったのである。
 また南アフリカは、近隣諸国で戦争の被害を受けて荒廃している国に平和をもたらすために、非常に重要な役割を果たしている。最近ブルンジ共和国との和平協定に調印した。これは、アフリカの近隣諸国と国連においてピースメーカーの役割を果たしていることになる。
 次に経済と社会的発展については、このところIMFが開発途上国に対し金融引締め政策を強制している。その結果様々な経済制裁が影響を受け、雇用の創出を不可能にし、社会的セーフティーネットのない国に貿易の自由化を強制することにより、労働者は失業し貧困へと追いやられている。
 WTOは開発途上国の犠牲の元に国際貿易を牛耳っており途上国は輸出品に対して市場の開放を強制されている。その結果として社会的・経済的に悲惨な状況が生まれており、これは、組織的、系統的に労働組合活動を破壊している。NACTUは、消費者物価指数に基づいた3%~6%のインフレを維持するインフレターゲット政策の導入に強く反対している。賃金には抑制が生ずるが利益率が消費者物価の上昇に対して何らの抑制がかかっていない。さらにこの政策はアパルトヘイトによって生じた収入の格差の縮小、職場の転換等の必要性を全く考慮していない。このことにより、公共部門・民間部門の労働者がこの政策の犠牲となっている。政府は準備銀行のインフレターゲット政策により、労働者の賃金について考えている。