2003年 モザンビークの労働事情

2003年2月19日 講演録

モザンビーク労働組合組織(OTM)
シミアン アドリアノ シムビネ

モザンビーク労働組合組織 青年委員会コーディネーター

 

OTMの活動

 モザンビークには2つのナショナルセンターがあります。1つはモザンビーク労働組合組織(OTM)で、もう1つは自由労働組合組織です。
 OTMは2002年11月に第4回大会を開催しました。役員の任期は5年ですが、大会では執行委員の数を削減する決定を行ないました。
背景としては、多くの執行部員に対する財政面支援ができなくなったという状況あります。
 OTMには14の産業別組織が加盟しています。もう1つのナショナルセンターである自由労働組合組織には3つの産業別組織しか加盟していず、従ってOTMがモザンビークにおける最大のナショナルセンターです。
 モザンビーク全体では、農業とインフォーマルセクターを除く労働力人口は17万5,293人で、OTMの組合員数は10万3,957人です。加盟率が59%ということができます。他の国と比べると組織率が高いという印象を受けられるかもしれませんが、説明するのはとても簡単です。JILAFのセミナーなどの話し合いでも出ましたが、日本との大きな違いの例を1つ上げると、要するに、鉱業とか農業とかの第1次産業と第2次産業が、多くの労働力人口を占めているからです。日本は違い、国がまだ発展していないということです。第1次産業、第2次産業で働いている労働者を組織化することはそんなに難しくはありません。今後は、国が発展するに従って、多分組織化も難しくなっていくのではないかと考えます。
 モザンビークの経済、政治状況は現在大変良くなってきています。以前、16年間、内戦で苦しめられてきましたが、平和を手にすることができ、2002年、平和を回復して10年を記念するお祝いをすることができました。政府の報告書あるいは中立的な立場の報告書などで、多くの発展が達成されたことが報告されています。
 問題は、国の発展は見られたとしても、それが労働者にはまだ反映されていないということです。一番大きな問題は、富の分配がうまくいっていません。要するに、国は発展したが、労働者は依然として危機状態の時と同じような状態に置かれていて、発展の成果を享受できていないことです。従って、労働組合運動の一番の目標は、賃金の平等な分配にあります。

OTMの活動方針

 OTMは今年、幾つかの新たな目標を設定しました。1つは組織率の拡大です。組織率の拡大によりナショナルセンターの組合員の数を増やすことを目標に掲げました。
 次は労働裁判の設立です。モザンビークでは労使紛争、労働争議は民事裁判の扱いになっています。しかし民事裁判は大変忙しく、労働問題はなかなか進展がありません。そのため労働裁判所を設置することを望んでいます。
 また、労働組合が財政面で自立できるようにすることを望んでいます。労働組合が強くなるためには財政を強化しなければなりません。
 さらに、団体交渉の進展、促進を望んでいます。経験からして労働者はばらばらになっていると力は発揮できず、団結して力を強化しなければなりません。
 さらに目標として、若者と女性の労働組合への参加促進があります。モザンビークの労働者の多くは若い女性です。その2つのグループ、若者と女性は、労働組合の中であまり居場所がないという状況があります。その目標を達成するために、幾つかのプログラムを設定しました。企業に足を運んでキャンペーンを行い、組織化を強化したいと思います。
 政府との交渉を続けていき、労働裁判設置を促します。新たな資金源を発掘する活動も行います。多くの労働組合は、組合費のみで維持しています。さまざまなプロジェクトを策定し、資金源を労働組合費だけに頼らなくてもいいようにしたいと思います。
 最後に、若者と女性の組織化のキャンペーンを強化します。OTMの中には女性局があり、ある程度進展してきたとも言えると思います。国際支援のおかげで、その局を強化することができました。さらなる大きな闘いは、若者の組織化です。若者のいない労働組合には、将来はありません。このようなメッセージを、モザンビークにいるすべての労働組合員に伝えていきたいと思っています。