2011年 チュニジアの労働事情

2012年2月10日 講演録
チュニジア労働総同盟(UGTT)
Ms. イーメーン・ビン・ミーラード
 

1.労働情勢(全般)

 2011年1月革命後は、新しい世代のリーダー、労働組合活動においても若いリーダーの台頭が見られる。UGTTはチュニジアの独立に重要な役割を果たしたファラハト・ハッシャードによって設立され、近代国家の成立に尽力した。この歴史から、労働組合が独立を守ろうという立場を守っているがゆえに、幾多の危機が発生した。
 現在、チュニジアには複数の労働組合組織が存在しているが、UFTTは最大の組織で、組合員数は53万人である。これはチュニジアの労働人口の約20%に相当し、組合員の46%は女性である。

2.労働組合が直面する課題

 現在、2011年1月14日に起きた革命後の移行期間に当っている。12月25日から28日の間、北部タバルカにおいてUGTT第22回大会が開催された。この大会において、13人からなる執行部の内10人が改選された。
 組織が直面している問題は、組合活動の権利と組合の意思決定の独立の保持である。UGTTは10年以上前から、ディーセントワークを実現する労働条件のための団体交渉、失業保険機構の設立の必要性を主張してきたが、失業問題が深刻になっている現状ではその実現が不可欠である。

3.課題解決に向けた取り組み

 UGTT内部部局間の連携強化による問題解決。例えば雇用問題は調査法案部が直接関係するが、失業の大半は女性や働く若者に集中しているので女性や働く若者の部局も関わる。団体交渉計画は、法案部に加え、民間部、民間労働者部、公務員部、さらに研修部が関係する。なぜなら労働者自身の交渉力の向上が重要だから、研修部も必要だということになる。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 新政府はまだ発足したばかりである。旧政権との関係について言えば、対話と緊張の関係が繰り返されていた。しかし、新政府は10月23日の首相声明において、提起されている諸問題についてUGTTと対話すると発表した。その内容とは、雇用、社会保障基金、失業保障基金、地方振興等である。

5.多国籍企業の状況

 チュニジアにはさまざまな多国籍企業が進出しているが、これら企業はチュニジアの国内法に従う。しかし、自由貿易区に立地する多国籍企業に関しては、ベンアリ大統領の時代には国内法の適用外だった。これらの多国籍企業は外国人投資優遇策の恩恵を受けている。多国籍企業のなかにはチュニジアの労働関係法令を遵守する企業もあれば、ベンアリ時代に腐敗のため法律を守らず労働組合活動を禁止していた企業もある。しかし、2011年1月14日以降、状況は大幅に改善されており、これら企業との関係は対話が基礎となっている。