2001年 チュニジアの労働事情

2001年7月25日 講演録

チュニジア労働総同盟(UGTT)
アヤリベルガセム

チュニジア労働総同盟ベナルス地域事務所事務局長

 

UGTTの状況

 政府はある時期、UGTTとは異なる別の労働組合をつくろうとしましたが、幸いにも失敗しました。チュニジアでの労働運動は、1920年代から始まっています。1955年にUGTTが設立されました。UGTTは完全に独立し、また、政党からも自由な存在として認められています。民主的に構成されていて、組合員数が70万人、国の独立にも貢献してきました。そして、ICFTUの副会長がUGTT出身です。マグレブ諸国労働連盟のメンバーにもなっています。また、UGTTはICFTU設立の際にリーダーシップをとった30の組織のうちの1つです。
 1985年以前の政権とは大変厳しい闘争を展開してきました。多くの労働運動の指導者が逮捕、投獄されました。私自身も逮捕されました。1987年に大統領が変わるまでそうした状況が続きました。1987年以来、3年ごとに団体協約を更新してきています。12年間ほぼ毎年、給与のベースアップを獲得してきました。現在また新しい団体交渉の準備に入っているところです。UGTTの目標は、まず総合的な労働者の利益を保護することです。そして、人権を保護することです。組織の独立を守るために活動を展開しています。
 男女の平等を図るために全国委員会、また、地域委員会を組織しています。23の地域組合を組織して、71の産別組織が参加しています。もちろん労働法もあります。各産業において団体協約が結ばれています。チュニジアの経済状況は、おおむね安定成長しています。ただ、グローバリゼーションの影響、また民営化によって、失業率が上昇してきています。現在、民営化が特に激しく進められています。まず、運輸産業、特に鉄道関係の企業体です。それから、医療関係の企業体も民営化が進められています。チュニジアには多国籍企業も数多く入ってきています。日本の企業も入ってきています。ソニー、フランスのカルフール、フンケル、ドイツの企業、アメリカ、イタリア、そのほかさまざまな国の多国籍企業がチュニジアの企業と合弁企業を設立しています。
 チュニジアで最も多いのが中流クラスです。国民の99%が教育を受けており、そして、労働人口の大半は若年層です。チュニジア共和国大統領が連帯基金というのを設立しました。この連帯基金に対して、企業経営者や、裕福な人間の参加を大統領が義務付けて、健康、医療、電気、水道、公共サービスなどの社会的なインフラを整えるように努力しています。
 それからもう1つ重要な点は、1972年の法律があります。これにより、外国からチュニジアへの投資を促進するというものです。特に繊維部門は労働者数35万人を抱える産業です。この35万人という人数は、ほぼ公務員と同じ数です。ただ、労働組合は、この産業の経営者といろいろな問題を抱えていて、ストライキが絶えません。重要な産業としては、まず鉱工業、それから、繊維、漁業、さらに世界一の産出量を誇る燐鉱石です。それから、オリーブの産出、オリーブも世界で一番の生産量です。オレンジ、ダーツという果物、あと、若干の石油を産出しています。