2007年 モロッコの労働事情

2007年12月5日 講演録

モロッコ労働組合(UMT)
Rachid El Menyari

 

 モロッコ総同盟(UMT)は、1955年に民主的な労働運動を基礎として設立された。モロッコの労働者が直面している問題は、公営企業の民営化、外国の多国籍企業による経済の変革、投資といった中で、こうした活動がサービス向上を売り物にして拡大し続けているところにある。電気・水道・下水公社労働組合の活動に限定して紹介したい。モロッコ全国は18の地域に分かれており、そのすべてに、電気、水道、下水のサービス機関がある。労働者の数は1万3千人、一つの組合に統合されている。最初に民営化が行われたのはカサブランカの電気と水道である。フランスの企業によって買収された。2番目の民営化は、私の出身地ラバトの会社である。スペインとポルトガルの合弁会社に買収された。このほか、1998年から2002年にかけて、そして2002年から現在にかけて、やはりフランスの会社によってプロセスが進められた。スペインの会社の社長は「自分たちはこの会社で最高の利益を上げるためにやってきた。あらゆる改革を惜しむことなく断行する。」と明言した。私は「あなた方が利益を上げるためには、料金を値上げせざるを得ないでしょう。どうお考えか。」と質問した。そして、さらに「政府がこの機関をあなた方にプレゼントしたのですね。」と申し上げた。ラバトの会社で新しい経営者がやったことは一度に168人を解雇したことである。私たちは全力で対抗した。そして雇用は保障された。会社が行うことで最悪なのは新しい子会社をつくって多くの事業をそっちに移管してしまうことである。旧来の権利を持っているものからすべてを奪ってしまうことであり、親会社には仕事がなくなってしまい労働者がいらないという状況がつくられてしまうことである。私たちは公共企業の労働者であり、私たちが特権を得るということは、一般国民の犠牲の上に成り立っているということである。会社が利益を上げるには料金値上げしかなく、結果として国民に負担を強いることになってしまうのである。