2001年 モロッコの労働事情

2001年7月25日 講演録

モロッコ労働組合(UMT)
モハメッドラシディ

モロッコ労働組合フェズ支部 事務局長

 

UMTの状況

 設立は1955年3月20日です。モロッコが独立した翌年のことでした。委員長はマハジュップ・ベンセリック氏です。42の地域、地方組織が加盟しています。それに企業組合、21産別組合が加盟しています。
 UMTは国の自由化に大変貢献しました。労働者の力を結集して、国の自由化、民主化に努めてきました。特に自由、平等、福祉に努力してきました。搾取に対して闘争を展開しています。
 UMTはグローバリゼーションに対しても対抗しています。競争力を高めること、労働者の権利を確立するために新しい労働法の制定、それから、労働組合の自由の為に闘争を展開しています。そうした闘争方針に基づいて、さまざまな産業において、30個の労働協約を結ぶことに成功しました。エネルギー、銀行、農業、運輸、農産物食品産業などです。
 政府は、自由な労働運動に対して非常に敵対的です。労働者との友好で、公正な関係というのは、社会対話に基づくべきものです。UMTは、人権委員会、人々のための委員会、それから、民間社会委員会を組織しました。それから、国際労働運動にも積極的に参加しています。1956年にCISA(アフリカ労働組合連盟、57年にICFTU、また)USTMA(マグレブ・アラブ労働組合連盟)に1989年に加盟しています。
 UMTは、労働者教育、あるいは、その宣伝のために3つのマスメディアを持っています。アバンギャルド(前衛)というタイトルの週刊誌、マグレブインフォメーションという新聞、フェ・エ・リュット(事実と闘争)というタイトルの月刊誌です。
 労働時間は週48時間です。それから、最低賃金は月額約180ドルです。定年が60歳。男女平等。
 UMTは、政治的な困難にさらされてきました。行政当局の労働運動への干渉をやめるよう要求してきました。特に政治活動及び労働運動についての干渉をやめるように要求してきました。政府の経済政策についても、UMTはさまざまな批判を繰り返してきました。製造部門の投資についての経済の立て直しを図ることと、労働者の社会的な既得権を尊重し、保護するように要求してきました。

UMTの活動方針

 労働者の教育活動を促進することを強調しています。国際労働基準、経済政策及び雇用政策、構造調整、団体交渉、インフォーマルセクター、労働安全衛生、地方農村部での労働者について、男女の平等、児童労働、こうしたことが労働組合組織の努力によって支えられています。労働組合の機能を高め、また、組織構造を強化するためです。労働運動のメソッドの国際化、そして、社会対話に参加するための能力を高めること、労働者の生活水準の向上、持続的な成長に貢献すること、国民の権利の発展に資すること、これを支援すること、そして、平和の維持のために、また、民主的な制度の維持のために闘争を展開していくことに努力しています。
 最後に、モロッコには17の政党があり、22の労働組合があります。この数から見ても、労働組合のほうが政党よりも多いわけです。いかに労働運動が盛んかということがおわかりいただけるかと思います。これは意図的にそうされているのであります。これはモロッコの労働者の能力、あるいは、力を育成するためにそうした組織がつくられています。