2004年 アルジェリアの労働事情

2004年11月10日 講演録

アルジェリア一般労働組合(UGTA)
サイード ハディド

アルジェリア一般労働組合 連帯委員会コーディネーター

 

UGTAの成り立ち

 UGTAは1956年2月24日、フランスの植民地支配からの独立戦争という厳しい状況の中で設立されました。当時、アルジェリアの労働者はフランスの労働組合の支配下にありました。
 1957年5月、UGTAはフランスへの抗議活動のために大規模なストライキを8日間にわたって敢行しました。このストライキは世界的な反響を呼び、国連において私たちの存在が認知されるようになりました。その後、私たちは1962年に独立を勝ち取るまで厳しい闘争を続けました。闘争中に初代の書記長であったイーサート・エディールが暗殺されるという事件もありましたが、それによって組合の活動が妨げられることはありませんでした。
 独立以降90年代にかけて、UGTAは独裁政権の下で、農業労働組合を始めとする労働組合が力を合わせてアルジェリアの工業化に貢献し、労働者の教育に大きく力を注いできました。しかし、1990年に開催された第8回UGTA大会において、政権からの分離独立をはかり、現在ではUGTAは自由で民主的な組合活動の道を歩んでいます。労働組合の独立性につきましては、基本的な法律が制定されているだけでなく、活動の実践面でもよく守られています。

UGTAの活動と組織

 アルジェリアの労働組合は政府のあらゆる介入や圧力から独立し、また国際機関の勧告に対しても独自の対応をしていますが、実際のところアルジェリアの労働者は、計画経済から自由経済への移行の中でさまざまな圧力を受けております。とりわけ世界銀行や国際通貨基金(IMF)による圧力のもと、多くの事業所が閉鎖され、たくさんの失業者が生まれています。UGTAは企業の閉鎖問題、それに伴う失業問題で解決策を探っているところです。
 UGTAの組織について説明します。まず本部事務局が存在し、その中に日本の連合でいうところの局に当たる部局が12あります。それぞれの部局が国際問題や組織問題といった任務を担当しています。地方の問題を担当する部局もあります。活動の方針は執行委員会によって決定されます。また傘下の産業別組織にも事務局があり、それぞれに執行委員会を置いています。水平方向の組織としては各地方に地方組織が存在します。2003年の資料によりますと、加盟している基礎組織は全国で4万9,191です。日本でいう産業別は18あります。

国内の状況

 アルジェリアの労働者の状況について申し上げます。アルジェリアの労働者総数は876万2,326人で、失業率は23.7%となっています。失業率がこのように高くなったのは、アルジェリア政府が国際金融機関の勧告に従って多くの公営企業を民営化し、このことによって多くの失業者が発生したことに起因します。雇用構造に関する統計によりますと、いわゆる正規労働者、すなわち社会保障などの対象となる労働者が83%で、対象とならない労働者が17%います。うち52%が農業労働者で、7%が工業労働者です。
 アルジェリアの労働組合の政治活動について申し上げます。アルジェリアの労働組合法によれば、どのような政党を支持している者であれ、労働組合活動は自由に行ってよいことになっています。また労働組合に所属していたとしても政治活動は独自にできることになっています。たとえば連帯基金、失業基金、退職者基金といった基金が国のレベルで存在していますが、これらの理事長は組合員から選出されることになっています。直近の組合活動の成果は、国民投資基金という基金を新たに設立したことです。