2011年 ウガンダの労働事情

2011年10月21日 講演録

ウガンダ労働組合組織(NOTU)
Mr. アイネア・オフォノ

 

1.労働情勢(全般)

 現在、ウガンダには2つのナショナルセンターが存在する。一つは、全国労働組合組織(NOTU)で、加盟組織は20、組合員は主にフォーマルセクターの19万2,372人である。運輸組合、漁業組合、演劇組合などインフォーマルセクターの労働者の組織化にも着手している。労働者のもっとも代表的な組織はNOTUである。もう一つは、自由労働組合組織(COFTU)である。もともとナショナルセンターは1つであったが、1995年に新憲法が制定され、結社の自由の保障の条項が盛り込まれた結果、COFTUが誕生した。

2.労働組合が現在直面している課題

 1985年制定の全国社会保障法、2006年制定の雇用法、労働組合法、労使紛争仲裁解決法、労働安全衛生法、労災保険保障法、この6つの法律があるが、政府が労働法を施行していない。
 労働組合は人材不足、財源不足に直面している。構成組織からナショナルセンターへの会費不払い問題があり、ナショナルセンターとしては中核的活動でさえ実施できず、国際的なパートナーからの資金援助に頼っているのが実情である。また、民主主義国家として多数政党が認められているので、組合のリーダーにより支持政党が異なることもある。結果として、政治的な見解の相違による、組合指導者と組合員間の不和が生じることがある。
 大多数の使用者、政策策定者が労働組合を認めていない。
 労働省の財源不足が原因で、労使紛争の案件が溜まり、労働裁判所が機能していない。労働裁判所は2006年の労使紛争法に基づいて設置され、職場における紛争を効果的に解決し、仲裁を図るメカニズムとして期待されているが、現在のところ、機能していない。

3.労働組合の対応

 現在進めている対応は、1)組織化の推進 (財政の強化にも効果的)、2)政府・産業団体・労働法制を扱う委員会への参画、3)より多くの代表枠を確保し労働組合の認知度を高めるための取り組み、4)労働法の適用、効力の発生を通じて、労働者の権利を侵害し、組合を認めない使用者との交渉に効果的な労働法の施行を政府へ働きかける。5)セミナー開催、メディア活動、パンフレットやチラシの配布を通して、労働者の労働法に関する知識の向上、権利意識向上をはかる活動、6)友好的な協力関係構築のための、COFTUとの合同ワークショップ等の開催、などである。

4.ナショナルセンターと政府との関係

 大統領は労働組合の良き支持者で、NOTUと政府は良好な関係を保持してきた。労働法が未施行であるなど課題はあるが、全般的には友好的な関係と言える。

5.多国籍企業

 きわめて多数の多国籍企業があるが、大半が中国系、イタリア系、イスラエル系の企業で、その多くが建設工事を扱っている。 多国籍企業の紛争内容の大部分は、劣悪な賃金レベルによるものである。また、多国籍企業の大半の使用者は労働組合を認めず、労働者の権利を侵害する傾向にある。