2017年 タンザニアの労働事情

2017年11月10日 講演録

タンザニア労働組合会議(TUCTA)
ジョーンズ・カヤルジ・マジュラ

TUCTA副事務局長

マリア・ジョーン・バンジェ
タンザニア商工業労働組合 教育組織局役員

フィロテア・ブクル・ルブンバグ
タンザニア鉱山エネルギー建設労働者会議

 

1.タンザニアの概況

 タンザニアの人口は5,800万人で、東アフリカ共同体の中では2番目の経済規模だが、雇用人口の約半数が農業部門で働く。1人あたりのGDPは879.19米ドル、国民総所得は1,490億米ドル。成長している経済分野は工業部門と建設・建築部門で、両方を合わせるとGDPの22.2%を占める。中でも、炭鉱、採石、製造業、発電、天然ガス、給水といった部門が成長している。現在、インフレ率は約5.3%である。
 教育制度は義務教育の小学校7年、中等教育前期4年、後期2年、大学3~4年という制度になっている。
 タンザニア労働組合会議(TUCTA)が唯一のナショナルセンターで、さまざまな産業に約70万人の組合員を持つ。公務部門に4組織、25万人、民間部門に9組織、40万人がいる。インフォーマルセクターの組合員は約5万人で、民間部門の労働組合が組織化している。

2.労働法制、社会保障の特徴

 現在の労働法制は、労働組合が十分に活動できるだけの余地を与えるものとなっている。社会保障制度委員会、最低賃金審議会、労働経済社会審議会、調停仲裁委員会、労働安全衛生委員会があり、これらはすべて政府、使用者、労働組合の代表からなる三者協議組織となっている。

3.労働組合の直面する課題と取組み

 まず1つは失業率である。インフォーマル経済が拡大しており、雇用の創出が充分ではなく、現在の失業率は10.3%になっている。工業、観光業、農業などの雇用機会がきわめて少なく、教育を終えた若者がフォーマルセクターで仕事を見つけられず、インフォーマルな仕事に就かざるを得ない状況が生まれている。そのような中で、労働組合にはインフォーマル経済に対峙する力がない。
 次に、雇用が非正規化されてしまうことも問題となっている。プランテーションでは3-4ヵ月が雇用期間となり、建設業界でも1-2年の有期契約が多い。一定の職場で継続的に働かない人たちを組織化するのは非常に難しい。
 最後に、大きな課題となっているのが、労働協約が弱体化していることである。使用者が労働協約を敵視し、企業利益を確保するためにいかに労働協約の効力を減らすかばかり考えている。