2006年 タンザニアの労働事情

2006年7月5日 講演録

タンザニア労働組合連合(TUCTA)
Ms. ジェーン アチャー ムプラ

 

 タンザニアが現在直面している様々な課題、タンザニア労働組合連合(TUCTA)が抱えている課題について述べたい。
 TUCTAは労働者階級の主な声として機能しており、労働者の利益を守るための政府側との話し合いに対して責任を担っている。
 TUCTAは全国の労働者を代表しており、政府の労働諮問委員会、裁定審議委員会など、政労使三者による会議という国の政策機関として戦略を築き上げるものまで参加している。
 次に国際社会における労働組合活動にも代表としており、東アフリカコミュニティ、ICFTU、アフリカ労働組合会議、南部アフリカ労働組合会議、東アフリカ労働組合等があげられる。
 加盟組織は、それぞれの組合員の生活を守るため、労働条件の向上を目的として活動している。さらに使用者側と労使間の調和にかかわる問題を話し合い、使用者側と協力を図っている。また国際的労働組合と様々な経験交流を行い協力関係にある。政府に対して適切な労働法を施行するように圧力をかけることを行っている。労働者や労働組合に対して、政府が労働の研究の創出や促進するための政策を行うことを強制することをしている。さらに労働者の組織に関する重要な問題の教育の実施、情報の提供を行っている。
 労働組合が直面している問題や課題としては、第一に90年代のはじめに労働組合がいくつか結成されたが、その時期には国の経済調整プログラムやグローバリゼーションの政策が導入された。これらの政策導入は労働組合に対してかなりの影響があった。
 第一に労働組合員の減少がある。構造調整プログラムやグローバリゼ-ションにより国営から民営化が図られ、人員削減が起こり、地元企業が閉鎖に追い込まれ、その結果労働組合員の減少、失業という結果が生じた。
 第二として、新しい使用者の反組合と敵対的態度であり、例えば組合員になろうとする従業員に対して、契約終了をするという脅かし、あるいは解雇が行われている。第三に新しい経営管理の戦術として労働者に対し個人契約を実施する。労働組合を無視して、品質管理サークル、部門間ミーティングを通して、労働者と直接個人契約を行おうとするものである。これは現代の人的資源管理のひとつで、組合の仕事自体を削り去るものである。
 第四として、いわゆる大学の講師、研究者といった専門家集団に頼るため労働組合に参加する必要性がないのである。
 第五に労働組合に対する否定的見方・認識のあり方である。労働組合の過去のパフォーマンスは感銘を受けるものではないため、労働者が組合に参加することやサポートすることをためらう動きがみられる。
 失業問題については、失業率が若年層に高くなっている。
 組合の直面する問題としては、職場の支部における労組幹部と一般組合員のコミュニケーション不足があげられる。経営においては労働者を採用する際の基準がはっきりしない点である。実際には団体交渉制度がない点、自由化された経済の中で労働組合側の不適切な交渉技術があげられる。特に、多くの加盟組合に見られる上部団体に組合費を上納するというコミットメントの不足がある。組合員の中の違った考えや志を持つ人が、別の組合や新しい連盟をつくる場合がある。
 最近の問題としては、組合費が経営者側から送金されないことがある。財務省に登録した使用者側と組合側で合意された団体交渉に関する協約運用が拒否されたり、運用までに長い時間がかかっている。
 これらの問題に対しては法的なストライキを行うことが不可能となっている。
 いままで述べた問題に対して、いくつかの措置がとられている。
 第一に労組として組合員である労働者に提供するサービスの数を増やし向上させようと努力している。第二に組合員に関する問題の全てに対し公開性、透明性を持たせたこと。第三に職場レベルにおいて組織化を図ること。第四として幹部活動家を養成し、支部レベルにおいて組織化をはかることを支援していくことを行っている。
 最後に、TUCTAと加盟組合は国内の労働運動と加盟組合は国内の労働運動を促進しようと、政治環境が良い中で頑張っている。
 これらの計画がうまくいっているかいないかを知るため、プログラムを計画し、監視し、中期的評価を行っている。