2003年 タンザニアの労働事情

2003年6月18日 講演録

タンザニア自由労働組合連合(TUCTA)
レオナード ムワナモンガ ハウレ

タンザニア教員労働組合 広報宣伝部長

 

国内の状況

 まず政治状況です。
 多党制民主主義、及び労働組合運動の自由を享受しています。憲法にのっとって、民主的に政府が選出されています。それには、一般の市民と同じく組合員も参加しています。法による統治国です、また適法手続に従って運営されています。透明性及び説明責任は改善される必要があります。組合は自由ですが、労働者はストライキ権を認められていません。政治的な寛容があります。人権及び組合権は守られています。そしてタンザニアは、ILOの中核条約をすべて批准しました。議会における野党勢力は弱いです。
 次に経済状況です。
 タンザニアにおける経済状況は全体としては嘆かわしい状況です。社会主義の失敗、それからIMFと世界銀行による構造調整計画の採用によって、経済が衰退しています。経済はおおむね海外からの援助と融資に頼っています。政府はIMF及び世界銀行の自由市場経済政策を採用し、そのことで国営企業及び公益事業の民営化と主要な経済改革を行っています。これらの改革の結果、フォーマルセクターが縮小され、大量の人員削減が行われています。それに伴って、貧困の悪化と拡大、家計収入の低下等の問題が起きています。それはどういうことを意味するかというと、人口の51%以上の人たちが国の貧困線以下の生活をしているということです。政府は、PRSP(貧困削減戦略計画)を採用し、導入しました。労働者の非正規化が進んでいます。インフォーマルセクターの規模が大変危機的に、急激な拡大を見ています。その原因としては、人員削減に遭った労働者たち、そして新しく労働市場に入ってくる人たちの受け皿になっているからです。失業率及び不完全雇用率がかなり高いです。
 次に社会状況です。
 一般的に、社会福祉事業は貧弱で不十分です。ほとんどのタンザニアの人たちは、労働者でさえもその受ける教育水準及び教育の質が悪化、低下しつつあります。その原因として考えられるのは、予算配分が少ないこと、公的資源の誤用あるいは悪用、それから十分に訓練を受けて資格のある教師が足りないこと、そして適当な教材あるいは教育用の機材、及び施設が、利用が高まっているのにもかかわらず、足りないという状況があるからです。
 医療施設が不十分であるために、多くの労働者の健康状態は不良です。タンザニアにおける大多数の国民の住宅状況は粗末なものです。これは働いている人の住宅でさえそうです。それから公共住宅計画は資金が足りません。その結果、すべての国民に良質の住宅を確保しようという目標を達成することができないでいます。都会においても農村部においても、水道施設は貧弱です。ダルエスサラム水道局が間もなく民営化されようとしています。そうなるとどういうことが起こるかというと、日雇い労働者たちや貧しい人たちが清潔で安全な水を得られなくなる状況がもたらされるということになります。
 犯罪状況は悪化しつつあります。その原因として考えられるのは、次のようなものです。若者の失業率が高いこと、道徳的な退廃、国の機関や制度が役に立たない、無能状態であるということ、伝統的な地域社会や生活様式が崩壊しつつあるということです。
 いろいろな努力が重ねられているにもかかわらず、HIV/AIDSの問題は危機的な状況にあります。それに対して、さまざまな対策がとられていますが、その中には次のようなものがあります。予防法について意識向上を図る、病気にかかった人に烙印を押す、あるいは汚名を着せる、差別をする、そういう状況に対して闘う。抗レトロウイルス薬によって治療する、この恐ろしい病気に感染してしまった人たちにはケア及び支援をする対策を実施する等です。公的な全国エイズ委員会が設立され、また総合的なHIV政策も立てられました。この病気とともに生きている人たち、つまり感染者たちのためのカウンセリングサービス等を含むケア及び支援プログラムもあります。
 女性と子供の地位は低い状態にあります。女性は不平等な富の分配に苦しんでいます。女性たちは、収入を生み出す活動については主要な役割りを果たしていますが、その収入の取り分については、非常に少ないか、あるいは全くありません。彼女らの教育水準も低く、また収入レベルも低いです。彼女らは、男性の手にかかってさまざまな形態の差別及びいじめを受けています。ストリートチルドレンの現象が増加しています。これは次のような理由によるものです。離婚率が上昇していること、エイズによる孤児が増えていること、子供と女性の福祉の向上のための体系化されて的を射た対策がないこと。それから児童労働は農村部において特に増えています。子供たちは権利を否定されています。

デオグラシア ゲラルド ビタリホ
タンザニア通信運輸労働組合

 

TUCTAの活動方針

 タンザニアにおいて、まず強力で独立した自由な労働運動を確立する、第2点ILO条約87号及び98号に規定された労働者の権利を守る、第3に社会経済政策の策定と実施において、労働者の意味のある参加と関与を目指す、第4点、児童労働及びエイズに対して闘う、最後に、インフォーマルセクターを組織化する、そして雇用を創出し守る。
 具体的な運動としては、セミナーやワークショップを開催して、意識啓発、意識向上を図る。それから加盟組合の意見を代弁し、主張するために大統領と対話し、新聞発表を行い、団結集会を開催する。また、特に能力開発、苦情処理及び交渉について技術支援を行う。
 私の連盟は、国家政策に効果的に参加しようと強く働きかけを行っています。例えば貧困削減戦略をつくるときに参加する、児童労働、エイズについても参加する、三者協議に参加する、ILO、ICFTU、OATUU、FES及びNGO等と協力をする。