2002年 タンザニアの労働事情

2002年7月17日 講演録

タンザニア自由労働組合連合(TUCTA)
ヘズロンジュリアスカアヤ

研究所・学士院等関連労働組合教育・組織・広報担当

 

国内の状況

 タンザニアはアフリカで面積の最も広い国の一つです。面積は、94万5,000平方キロあります。
 人口は、2000年現在で3,370万人と推計されています。人口の増加率は年に2.3%です。
 人口の内訳は、99%がもともとアフリカにいる人たち、そして残りの1%がアジア、ヨーロッパ、アラブの諸国から来た人たちです。
 宗教はキリスト教とイスラム教が中心になっています。
 GDPの成長率は年率4.8%です。
 タンザニアは1961年12月にイギリスから独立しました。他の開発途上国と同様に、タンザニアも独立以来、様々な社会的あるいは政治的、経済的な変化を経験してきました。
 もう一つ、タンザニアに関して言えることは、アフリカの中でも最も平和的な国の一つであるということです。
 次に、タンザニアの労働運動に関連したことについてお話をさせていただきます。
 歴史的にタンザニアの労働組合は、1950年代から2つの重要な時期を経ています。
 独立前の1955年にタンガニーカ・フェデレーション・オブ・レーバー(TFL)という組織が初めて設立されました。このTFLは、設立後、タンガニーカ・アフリカン・アソシエーション(TAA)という政党と協力関係を結んできました。この政党は、後にTANUという政党と改称し、このTANUが独立に向けて闘いを始めたわけです。
 1964年に、TFLは解体され、これにかわって、ナショナル・ユニオン・オブ・タンガニーカ・ワーカーズ(NUTW)が設立されました。TFLと全く同じように、このNUTWも、政党であるTANUの政策を推進していくことが一つの重要な目的でした。
 政治的な変化がいろいろ起りましたが、労働者の権利を守る労働組合が必要になり、1979年にJUWATAという組織が発足しました。この組織は、その時の与党であったCCMの大衆組織として発足したので、CCMという政党の政策を推進しました。
 その後、複数政党制への要求が高まり、結局このJUWATAも、1991年にOTUUに取って代わられることになりました。このOTUUの時代に、部門毎に労働者を組織することが可能となりました。
 最近の主な出来事として、1998年に労働組合法が改正され、この改正により、複数の労働組合が可能になりました。この労働組合改正法は、2000年の7月1日に施行されました。
 次に、組合の登録についてお話しします。
 それぞれの労働組合は発足して1カ月以内に登録機関に正式に登録しなければなりません。
 労働組合は少なくとも20人以上の組合員がいなければならないことになっています。これに対して、雇用主の組合は、4人以上の雇用主が入っていれば、組合を結成することができます。
 次に、労働組合員についてです。年齢は14歳以上で現在雇用されていることが必要です。
 次に、労働組合の法人格については、登録をされている労働組合は法人格を持っていて、訴訟の中でも当事者となること、それから財産を所有する権利が認められています。
 労働組合の基金は労働組合のためのみに支出しなければならないことになっています。
 主に給与あるいは弁護士費用、労働組合の活動計画などに支出することが義務づけられています。
 帳簿の検査は、法律に基づいて、労働組合員はだれでも、その労働組合の帳簿を調べることができることになっています。この法律の適用範囲は、雇用されている人、例えば公務員、軍人、また警察あるいは刑務所で働いている人たち、すべて雇用されている人であれば、この法律の適用を受けます。
 次に、法律違反については、治安判事の法定で裁かれることになります。例えば登録をしないで労働組合が活動をしている場合、あるいは証明書が取り消されたにもかかわらず労働組合が活動を続けているといった場合、これは法律違反になりますので、治安判事の法定で裁かれることになります。
 労働組合法に基づいて、二つ以上の組合が一緒になれば、連合体をつくることができることになっています。

TUCTAの活動状況

 現在TUCTAは、12の労働組合で構成されています。それぞれの労働組合は、それぞれの規約を持ち、それぞれ違った構造を持っています。TUCTAの組合員数は、2001年11月現在で35万人です。
 TUCTAは多くの問題に直面しており、そのうちの一つが児童労働問題です。HIV/エイズの撲滅のためのキャンペーンも行っています。労働安全衛生のキャンペーン、陳腐化した労働法の改正、労働者の参画政策についても取り組んでいます。社会保障制度、ジェンダーの問題にも直面しています。政治、社会経済の変化が労働組合にもたらす影響、こういった課題にも取り組んでいます。