2001年 タンザニアの労働事情

2001年7月25日 講演録

タンザニア労働組合評議会(TUCTA)
ポーラエフライムテム

タンザニア農園農業労働組合児童労働コーディネーター

 

国内の状況

 タンザニア政府は、憲法に規定されているさまざまな法律に基づいて国を治めています。タンザニアの大統領をはじめ、閣僚は、民主的な方法によって選出されています。選挙は5年に1回行われており、最も最近の選挙は2000年10月に行われました。
 ほかのアフリカ諸国も同じだと思いますが、タンザニアでは、1990年初めに複数政党政治というものが導入されました。それ以前、労働組合は与党を支持する組合でした。
 簡単に労働運動の説明をしますと、まず1955年前までの時期が第1段階目になります。
最初の労働組合は1955年に設立されました。タンガニーカ労働連盟です。そして、これにとって変わったのが1964年にできたタンガニーカ労働者全国組合(NUTA)です。その後、1979年に、タンザニア労働者組合(JUWATA)ができて、さらに1991年にタンザニア労働組合機構(OTTU)ができました。
 そして、複数政党制度が導入された後にできた組織がタンザニア自由労働組合連盟(TFTU)です。これは1994年に設立されましたが、違法なものでした。
 このTFTUにとって変わったのが現在のTUCTAです。設立は2001年で、タンザニアにおいて新しい労働組合法が施行されたからです。
 経済情勢は、農業がタンザニアの経済において主な産業になっています。GDPの半分以上に貢献をしているのが農業で、政府も農業を重要な産業として位置づけています。
 農産物の生産というものが第一次産業の中でも重要な位置にあり、全体の25%を占めています。これは2つのタイプに分かれています。1つが市場用作物、それからもう1つが食用のための、作物になります。第一次産業の残りの75%を占めているのは、畜産や漁業、林業、狩猟であります。
 ほかの重要な産業は、製造業、建設、観光、鉱業であります。こういう産業が1998年の経済統計によると、成長している分野であると言われています。
 次に労働人口は、2000年の政府の企画委員会が出した予測に基づいていうと、1,640万人と発表されています。そのうち780万人が男性、850万人が女性です。そして、この労働者のうちの半分が30歳以下という若い層によって占められています。
 労働者の平均賃金は、引き続き低いレベルにあります。特に低賃金なのが公務員です。公務員の月額の給料の平均は、3万から4万5,000タンザニアシリング、これは大体月額50米ドル相当になります。
 社会的なお話をします。タンザニアのほとんどの人々は、農村地帯に住んでいます。すなわち農村といいますか、過疎地に住んでいると言えます。そのうちの大体半分が、きれいな水、電気、医療サービス、もしくは教育の恩恵を受けられない状態になっています。そして、私どもの組合の過半数の人たちがこういった状況の中で生活をしています。すなわちプランテーションで仕事をしていて、彼らの子供の大半は児童労働に従事しているという状況になっています。

TUCTAの活動方針

 ほとんどの活動方針は、前身組織であったTFTUから引き継いだものになっています。
 1つは組合員に対して、団体交渉ですとか、組織化に関しての技能を身につけさせることです。
 また、政府に対しては、経済、そして、タンザニアの労働者の生活条件がよくなるような方針を労働法に基づいて実行するように呼びかけています。
 さらには、タンザニアにおける労働組合や、全国組織や、それから、国際的に活動している労働組織とともに協力関係を築くこと。そして、お互いの経験を分かち合うということも重要な方針の1つです。
 そして、もう1つ重要なのは、政府が危険な方針を実行することによって、組合員の立場が損なわれないようにしていく、つまり、労働者の権利、立場を守るということも大事な方針です。
 もう一点は、政府は労働者に関する問題や、福祉の問題に関してのいろいろな委員会や機関を設けています。そのような委員会に労働組合の代表が必ず参加できるようにする、それも重要な方針の1つです。
 具体的に方針を実現するためには、しっかりした財政を確立することが大事になってきます。そこで、ナショナルセンターに加盟している組合が組合員数を維持できるように、もしくは組織が拡大できるようにする、それによって財政基盤が再構築されるようにすることが1つの取り組みです。もう1つは、組合員に対して教育を行うことによって、彼らの生活水準を改善していくということももう1つの施策になっています。
 こういった目標を達成するためには、今まで伝統的に組織化されてこなかった分野にも目を向ける必要があると認識しています。そこで、組合員に対しては、以下の点についての教育を提供しています。どうやったら所得が上がるか、いわゆる主要な職業から得られる収入以外にどういった活動をすれば、さらに自分の収入や所得というものが大きくなっていくのか。もう1つが家族計画、もう1つは男女平等問題、ジェンダーの問題、もう1つはクレジットスキーム、いわゆるお金の貸し付けの制度、もう1つはHIV/エイズに関する問題の教育、そして、児童労働の問題などです。児童労働があることによって、どういった影響がタンザニアに及んでいるのかを教育しています。